『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』子供から大人まで虜に “本気のおふざけ”が生み出した熱狂
大人の本気の“おふざけ”を、子どもも楽しんでいる
『ドンブラザーズ』を大人たちがドラマとして楽しむ一方で、「子どもたちはどうとらえているのか」といった部分を気にする声も耳にした。
わが家には12歳、10歳、7歳の子がいて、3人ともほぼ全話を視聴している。特に上の子2人は「(今までのスーパー戦隊シリーズで)一番面白い」と話している。下の子だけは、桃井タロウが宿敵ソノイとの対決に敗れた回で、わんわん号泣してしまった。この時は「うちの娘を泣かせた!」と、少しばかり親バカ感情が浮かびもしたが、それでも、娘は翌週以降もしっかり観続けた。ほの暗い獣人の森に人がぶら下がっていて、不気味な音楽が流れた場面では「こわい!!!」と言いながらも、視聴をやめることはない。
『ドンブラザーズ』が子どもたちを惹きつけているのは、「ヒーローってかっこいい」「ロボットがかっこいい」といった、シンプルな感情だけではない。それぞれのキャラクターが魅力的だからだ。そして脚本もプロデューサーも監督も、そして出演者が、本気でやりきっていることが子どもたちにも伝わっている。
エンディングテーマで「チガイはマチガイじゃない」と歌っているように、敵対勢力だったはずの脳人(ノート)3人がどんどん人間らしくなっていき、ドンブラザーズに加わってしまったように、包み込むような優しさがあるように思う。
筆者自身、もともと戦隊ヒーローのファンというほどではなく、子どもが生まれてから電車が好きな長男と『烈車戦隊トッキュウジャー』(テレビ朝日系)を、恐竜が好きな次男と『獣電戦隊キョウリュウジャー』(テレビ朝日系)を一緒に楽しんだくらいの、いわばスーパー戦隊シリーズ初心者。全話通して欠かさず視聴したのは、『ドンブラザーズ』が初めてのことだった。本作はスーパー戦隊シリーズで初めて、Prime VideoとTELASAで全エピソード視聴が可能になった作品でもあり、気軽に視聴することもできる。
物語はついに最終回を迎える。エンディングテーマでは森崎ウィンが<目指すは めでたしドーンとハッピーエンド!>と歌っている。
彼らはきっとハッピーエンドだ。
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■放送情報
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』
テレビ朝日系にて、毎週日曜9:30~10:00放送
プロデューサー:井上千尋(テレビ朝日)、白倉伸一郎(東映)、武部直美(東映)、矢田晃一(東映エージエンシー)、深田明宏(東映エージエンシー)
出演:樋口幸平、柊太朗、鈴木浩文、別府由来、志田こはく、新田桃子
原作:八手三郎
脚本:井上敏樹
監督:田﨑竜太
アクション監督:福沢博文
特撮監督:佛田洋(特撮研究所)
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