観たことないスーパー戦隊! 『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』掟破りの展開に目が離せない

『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』掟破りの展開

 <ことーしことし あるところに 4人のお供と 1人の暴太郎がいた>

 神輿に乗り、扇子をあおぎながら現れるレッドに、「ドンドン! ドンブラザーズ!」の主題歌がリズミカルでクセになる。日曜日の朝の顔といえば、1975年から続くスーパー戦隊シリーズ。第46作目の今期タイトルは『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(テレビ朝日系)だ。

 読み方は「あばたろう」、タイトルは『ドンブラザーズ』。どんな戦隊ヒーローなのか、名前からは想像がつかないので、予告編を観てみたらますますわからなくなった。

新番組「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」3月6日(日)放送開始!

 かつてない凸凹の姿に、予告編から「キジどうなってるの?」「CG…?」「テンション高そうだな」と、SNSでも期待が高まっていた。私自身、子どもが生まれてから一緒にスーパー戦隊シリーズを観るようになったため、シリーズ全てに詳しいわけではない。しかし、「もう戦隊ヒーローは卒業かな?」と思っていた小6の息子も含め、毎週欠かさず録画で2回は観るくらいに、家族全員でハマっている。今まで観たことのない掟破りが多く、目が離せない。

ヒロイン主体のストーリー展開

 レッドのドンモモタロウ/桃井タロウ(樋口幸平)は、桃太郎がモチーフで、他の戦士はお供たち。ブラックのイヌブラザー/犬塚翼(柊太朗)は変身すると身長100cmに、史上初の男性ピンク、キジブラザー/雉野つよし(鈴木浩文)は身長220cmほどににょきっと背が伸びる。ブルーのサルブラザー/猿原真一(別府由来)はムキムキしたゴリラのような姿で、イエローのオニシスター/鬼頭はるか(志田こはく)は、鬼がモチーフ。

 第1話は、漫画賞の授賞式から始まり、壇上には女子高生の鬼頭はるかが誇らしげに立っていた。はるかは漫画家として成功し、学校でスター扱いと絶好調。しかし、ある日怪物に襲われ、ヒーローらしき人物に助けられる。その翌日、マンガの盗作疑惑が持ち上がり、連載も友情も恋人も失ってしまう。

 目の前に不思議な黄色いメガネが現れ、かけると周りの人間の中に異形の姿をした者たちが紛れ込んでいるのが見える。「私たちがわかるのか?」と追いかけられ、逃げ回る。不思議な空間で出会った人物から「桃井タロウに忠誠を誓え」と言われたのを頼りに、タロウを探しながら、戦いに巻き込まれていく。漫画家として結果を出していたはるかは、芯があって強い。自己顕示欲が高く、指名手配犯の立てこもりに巻き込まれても「ラッキー! 漫画のネタになる!」と思っちゃう根っからの漫画脳。ズバズバ物を言ってストーリーをかき回す。ヒロイン主体で話が進んでいくのも、これまでのスーパー戦隊シリーズであまり見られなかった特徴だ。

明るくわちゃわちゃしたお祭り騒ぎで突き進むストーリー

 はるかがイエローのオニシスターに変身して戦い始めると、どこからか他のヒーローが現れる。身長の高すぎるキジブラザーに話しかけると「ええ? 聞こえない!」と身長差からコミュニケーションが成り立たず、小さくかわいいイヌブラザーを「わんちゃん」と呼ぶと「わんちゃんじゃねえよ」と一蹴される。

 なぜかドンモモタロウは、筋骨隆々の男たちが担ぐ神輿に乗って、周りに天女らしき人々を従えながら現れる。第9話では、病気で無気力状態になったドンモモタロウの登場シーンで、麗しい姿を見せていた神輿の周りの天女たちまでもが具合が悪そうになっていた。

 戦いの場面では、過去作のヒーローに変身し、その能力を生かして戦うスタイルが今作でも取り入れられている。レッドやイエローが過去のヒーローに変身し始めたとき「僕も!」と変身しようとしたピンクのキジブラザー。キジブラザーは史上初の男性ピンク戦士だ。「まさか……」と視聴者が思うと「リュウソウピンク」に変身し、女性のスーツ姿に。「ええ、女の子!?」と、視聴者たちが気になる部分をしっかり本人たちがツッコんでストーリーが進む。

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