『愛と、利と』ムン・ガヨンが語ったスヨンの選択 最終回は受け手に解釈を委ねる展開に
コグマ展開(すっきりしない展開)が続く中を、毎週観るのを楽しみにさせた牽引力となったのは、ストーリーに添えられただけではない、主役のような力を見せた効果的なOSTと、なんといっても俳優陣の演技力だろう。『マイ・ディア・ミスター』でIUがイ・ジアンとして劣悪な環境下から、自分の幸せを見つけ出すまでを演じてみせたように、ムン・ガヨンは、これまでの役柄とは違う面をアン・スヨンとして演じてみせた。親の浮気と弟の悲劇的な死をきっかけに複雑な行動をとるスヨン。そんなスヨンの凄みさえ感じさせる底光りのする暗い眼差しから、自分のために生きる生命力に満ちた輝きまで、ずっと目が離せなかった。
ムン・ガヨンは、インタビューでスヨンについて、「スヨンの選択を利己的で、自分を傷つけるものだと見ることもできるが、スヨンは自分が置かれた環境で最善の選択をした。アン・スヨンに近づくサンスの行動も勇気だが、目の前のことをあきらめ退くアン・スヨンも勇気ある選択をしたのだ。多くの傷を持つスヨンはサンスを愛する前に、自分を世話する時間が必要だったようだ」と語っている。(※2)
メロ職人として言葉ではなく、眼差しで切なさや、悲しさ、恋焦がれる様子を語るサンスを演じたユ・ヨンソクの魅力と、本心と行動がずれるミステリアスさを持つムン・ガヨンのおかげで、毎週拗れるメロに没入させてもらえたことは言うまでもないだろう。
参照
※1. https://mobile.newsis.com/view.html?ar_id=NISX20230210_0002187867#_PA
※2. https://www.yna.co.kr/view/AKR20230210092200005
■配信情報
『愛と、利と』(全16話)
Netflixにて配信中
演出:チョ・ヨンミン
脚本:イ・ソヒョン、イ・ヒョンジョン
出演:ユ・ヨンソク、ムン・ガヨン、クム・セロク、チョン・ガラム
(写真はJTBC公式サイトより)