『愛と、利と』ムン・ガヨンが自らの手で幸せを壊す スヨンの行動に一喜一憂するサンス

『愛と、利と』ムン・ガヨンが幸せを自ら壊す

「自分を傷つけて得るものなんてない」

 Netflixで配信中の『愛と、利と』の人気が止まらない。配信後からSNSなどでじわじわと口コミが広がりを見せ、第13話、第14話が配信されるやNetflixランキングTOP1位に躍り出た。第12話のラストは、アン・スヨン(ムン・ガヨン)がソ・ギョンピル(ムン・テユ)と寝たと聞かされ、銀行内で激高するチョン・ジョンヒョン(チョン・ガラム)の修羅場と超絶に続きが気になるところで幕を閉じた。

 第13話、第14話は、スヨンがハ・サンス(ユ・ヨンソク)から、自分が作った砂のお城の写真をスマホに送られたところから始まる。写真の砂のお城は、スヨンが“自分が綺麗に作った砂城だけど、壊れてしまう前に自分で壊してしまう”とサンスに告げたものだった。サンスは、“君のお城は壊れていないよ”と伝えたくて、スヨンへ送ったものだったのだろうが、スヨンはその写真を見て、サンスの望まない方向へと歩む決意を固める。自分が作った美しい砂のお城を壊すと言った言葉が、スヨンの行動の根底にあるように、スヨンは自身と周囲を壊して苦しめていく。

 スヨンはギョンピルから、過去にパク・ミギョン(クム・セロク)との交際を反対され、別れるためにとった手段が友人と寝たことだと教えてもらい、同じ手を使うことに。そして、そのことを知ったジョンヒョンは、ギョンピルに殴り掛かり、銀行をクビになる。さらに、サンスも同じくギョンピルを殴ってしまう。スヨンの取った行動で、一人は仕事を解雇され、一人は友人と仲違いするという事態になってしまった。スヨンの行動は、当のスヨンだけでなく、嵐のように周りも巻き込み人生を狂わせていく。

 自分の行動と周囲の状況に疲れたスヨンは、両親が営む店を訪れ、母親に一緒に故郷に帰ろうと告げる。サンスは、スヨンの行動につらい思いをするが、それでもなによりも、スヨンと会えなくなることの方がつらいというサンス。そんな中、体調を崩したスヨンを看病するサンスは、スヨンの部屋で男物の歯ブラシや、髭剃りを目にする。そしてサンスは心の中で、「何でもない、普通の恋だ。ありふれた恋なんだと」と自分に言い聞かせる。

 一方、ミギョンは、父がサンスを呼び出したことを知り、サンスの元へ向かう。そして、“コインを投げて表が出たら別れる、裏が出たら父と来年顔合わせをしてくれ”と言う。ミギョンが投げたコインは、サンスに見せることなく、別れを告げるのだが、視聴者にはミギョンのコインが見える演出だ。ここのミギョンがとてもいい。元々明るかったミギョンは、サンスと付き合ってから、疑心暗鬼で不安に飲み込まれ、負の側面を見せた。しかし、別れを選んだミギョンは、ぐっすり眠ることができたといい、本来の明るく天真爛漫な姿に戻りそうだ。苦しい恋をしたミギョンの今後の幸せを願うばかりだ。

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