アントマンの娘キャシーも仲間入り? MCUに若手女性ヒーローが増えている理由

MCUに若手女性ヒーローが増えている理由

 一つは “Aフォース”への布石。コミックには、シーハルクをリーダーにキャプテン・マーベルらが参加し、メンバーがすべて女性ヒーローで構成されたAフォースというチームがあるのです。コミックでの設定を変え、MCUならではの設定とメンバーで、MCUオリジナルのAフォースを作るために、いま女性ヒーローを続々と増やしているとも考えられます。事実、ドラマの方でシーハルクもデビューしたし、『ムーンナイト』にはエジプトの神タウエレトのアバターになったレイラ、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』でシャン・チーの妹で伝説の組織テン・リングスを継いだシャーリン、『ワンダヴィジョン』でスーパーパワーを身に付け『ザ・マーベルズ』にも登場するモニカ・ランボー、ジェーンが変身したマイティ・ソー、新ブラック・ウィドウことエレーナ、こうした大人の女性ヒーローと10代の女性ヒーローによるAフォースが登場するのではないでしょうか?

 もう一つの可能性は、ヤング・アベンジャーズへの布石。コミックには10代ぐらいの若手ヒーローで構成されたヤング・アベンジャーズとかチャンピオンズといったヒーローチームが存在します。これに着想を得たMCU版ヤング・アベンジャーズが生まれてもおかしくありません。その場合、男性の若手ヒーローも必要になりますが、これも伏線はばらまかれています。まず『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』に登場するイーライ・ブラッドリー。彼は歴史から抹殺された黒人の超人兵士イザイアの孫ですが、コミックでは祖父の血=超人血清の力を受け継いでおり、パトリオットというコードネームのヒーローになります。

 そしてヤング・アベンジャーズと関わったこともあります。また、『ワンダヴィジョン』『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』で言及された、ワンダが生んだ双子ビリーとトミーもコミックではスーパーパワーの持ち主で、ヤング・アベンジャーズのメンバーです。そもそもコミックで描かれたヤング・アベンジャーズ自体、将来ヴィランになる運命を嫌った若き日のカーンがアイアンラッドというヒーローとなり、立ち上げたチームという設定なのです。

 キャシーたちの登場がMCU版Aフォースに向かうのか、ヤング・アベンジャーズにいきつくのか興味深いですね。なお、今回からキャシーを演じるのはキャスリン・ニュートン。ジャンル映画ファンにとっては『名探偵ピカチュウ』やホラー映画『ザ・スイッチ』のヒロイン役でおなじみです。

■公開情報
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
2月17日(金)公開
監督:ペイトン・リード
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:ポール・ラッド、エヴァンジェリン・リリー、マイケル・ダグラス、ミシェル・ファイファー、ジョナサン・メジャース、キャスリン・ニュートン、ビル・マーレイ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©Marvel Studios 2023

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