『ガンニバル』最終話も息つく暇もないほどの重厚さ “シーズン2”への期待は増すばかり

『ガンニバル』最終話も息つく暇もない重厚さ

 後藤家の敷地に乗り込んでいった大悟(柳楽優弥)は岩男(吉原光夫)に捕まり、恵介(笠松将)らが待ち構える屋敷のなかで殺気立った後藤家の連中に取り囲まれる。そこで縛られたロープを切り、カマを奪い、後藤家の1人を羽交い締めにする。首に当てた凶器と、向けられる銃器。その姿は、大悟が抱える“過去”と対になる。第3話で描かれた、ましろ(志水心音)に近付いた男を射殺した過去。その時の男の位置に大悟が置かれているかのような姿勢だ。ディズニープラス「スター」オリジナルシリーズ『ガンニバル』は、2月1日配信の第7話で最終話を迎えた。

 署長(利重剛)によって後藤家から助け出された大悟は、連れて行かれた諸辺署の屋上にある小さな一室で5人の刑事を紹介される。彼らは狩野(矢柴俊博)の一件以降、密かに後藤家に探りを入れているのだという。自分が得てきた情報を彼らに話す大悟。その頃、協力者である宇多田が、子どもたちの監禁されている場所を特定。刑事たちは祭りの日の朝に乗り込むための計画を立て、SITを動かすために必要な証拠として京介(高杉真宙)に協力を依頼する。一方、後藤の家では大悟の言葉に唆された岩男が“裏切り者”探しに躍起になっていた。

 これまで孤軍奮闘だった大悟にようやく差し込んだ一筋の光とでもいうべきだろうか。少なくとも、供花村出身の署長が後藤家の側にも村人の側にもついておらず、後藤家を追い詰めることに積極的になってくれたことは大きい。それに加えて、刑事たちが集めた資料にあった家系図によって、京介を18年前に助けた女性が後藤銀(倍賞美津子)の娘・藍であることを知る大悟。その藍がまだ生きており、京介と共に暮らしていた。彼女が京介に語る18年前の祭りの夜の出来事。後藤銀や後藤家の連中に銃を向けられた藍を助けたのは、他の誰でもない彼女の実の息子である恵介だったのだ。

 最終話ということもあり、一気にさまざまな物事が動き、これまで登場した人物たちにも動きが見られる。自分を育ててくれた母として大切に思う藍の話を聞き、警察に協力することを躊躇う京介。子どもを助けるという共通の目的のために大悟に協力する宇多田。宗近(田中俊介)は恵介を呼び出し、祭りの伝統を自分たちの世代で終わらせないかと提案する。恵介の子を身ごもったことが前回明らかになったすみれ(北香那)は、供花村に近い駅に降り立つ。安全のために大悟から離れたところに匿われていた有希(吉岡里帆)とましろのところには、刑事に扮装した後藤家の者が現れる。

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