浜辺美波、キャリアを重ねる中で生まれた“自然体”への意識 「小学校4年生の頃と同じ感覚」

浜辺美波、デビューから10年を経て

 3月に公開予定の『シン・仮面ライダー』や、4月3日から放送がスタートするNHK連続テレビ小説『らんまん』など、2023年も話題作への出演が続く浜辺美波。1月27日より公開中のアニメーション映画『金の国 水の国』では、主人公の一人である優しくおっとりした王女サーラを演じている。過去に『HELLO WORLD』や『名探偵コナン 緋色の弾丸』などでも声優に挑戦している浜辺だが、声の演技は毎回、初心にかえってまっさらな気持ちで挑むという。『金の国 水の国』で改めて感じた声の演技の難しさや、デビューから10年以上経った中での心境の変化について話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

声の仕事は「毎回イチから学び直す感じ」

浜辺美波

ーー浜辺さんに取材させていただくのは今年(※取材は2022年12月に実施)3度目なのですが、2022年もドラマや映画など大活躍でしたね。

浜辺美波(以下、浜辺):いつもありがとうございます。2022年は自分にとって、時間の流れ的にはわりとゆっくり進んでいた気がしていて。お仕事的にも、毎日忙しなく進んでいったというよりは、ひとつひとつのお仕事に対して、時間をかけてじっくりと向き合えたと思います。

ーーその中でも印象に残っているお仕事は?

浜辺:昨年の年始すぐにやらせていただいた『ドクターホワイト』(カンテレ・フジテレビ系)は、プライム帯での単独主演が初だったこともあって、自分の中では大きかったです。コロナ禍での撮影というプレッシャーはありましたが、共演者の方々もスタッフの皆さんも優しい方ばかりで、とても良い経験をさせていただきましたし、楽しく充実した時間を過ごせたのが印象的でした。

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ーー『ドクターホワイト』は反響も大きかったですよね。

浜辺:私自身ドラマが久しぶりだったので、家族も喜んでくれました。まだ始まったばかりの新しいドラマ枠だったので、そういう意味では緊張感もあったのですが、宣伝活動もたくさんできましたし、みんなで走り抜けられたので、本当によかったです。2022年は『ドクターホワイト』でいいスタートダッシュを切れたので、「今年は大丈夫だな」と思っていました。

金の国 水の国

ーー2023年は、声優を務められたアニメーション映画『金の国 水の国』からスタートします。アニメーション映画の声優は過去に何度かやられていますが、これまでの作品との違いなどはありましたか?

浜辺:今回私が演じたのは、<金の国>の第93王女・サーラという、穏やかで笑顔を絶やさないキャラクターです。王女だけど位が高くなく、身分の高い姉たちに比べ自信が持てない控えめな性格なのですが、大切な人たちを守るために行動できる芯の強さを持っています。これまではゲスト声優だったり、セリフが少ない役だったりしたのですが、本作ではナランバヤル役の賀来賢人さんと共にW主演を務めさせていただいたので、セリフの量がすごく多かったのが今までとの一番の違いでした。セリフが多いぶん、役作りにも時間がかかりましたし、苦戦する箇所がすごく多かったです。特に今回のアフレコは、絵も音楽も出来上がっている状態で自分の声を入れるかたちだったので、私のせいでダメにできないというプレッシャーもありました。でも、原作の素晴らしさに引っ張っていただき、賀来さんにも後押ししていただいたおかげで、何とかやり遂げられました。私はアフレコブースの無音の状態が本当に苦手なので、そこで苦戦してしまったこともありました……。

ーーなんでですか?

浜辺:後ろからたくさんのスタッフさんに見られている状況が、金魚鉢の中にいるように感じるんです……(笑)。過去にラジオのレギュラーをやらせていただいたこともあったのですが、ラジオのブースも息の仕方を忘れてしまうような感覚があって、あまり得意ではなくて。狭い空間で失敗が続いてしまうと、どんどん追い詰められてしまうような感覚にもなるので、声のお仕事は毎回苦戦してしまいます。

金の国 水の国

ーーそういった環境的にもハードルがある中でお芝居をするのは、自分には想像もできない世界です。

浜辺:プロの声優の方は本当に凄いなと思います。今回のサーラ役も、最初はかなり苦戦してしまって……。最初に原作漫画を読んだときは、なんとなく自分の中でイメージしていたサーラの声があったのですが、いざブースに入って声を出してみると、一気に自分の中でのサーラ像がわからなくなってしまって。息の仕方や声の出し方など、音響監督の方に何度も細かくディレクションしていただきながら、ようやく掴めていったので、プロの声優さんの凄さを改めて実感しました。

ーー浜辺さんほど実力のある方でもそれほど苦戦されるものなんですね。

浜辺:声のお仕事は、毎回イチから学び直す感じなんです。同じ声のお芝居でも、作品の色によって全然違うように感じるので、毎回初心にかえってまっさらな気持ちで、監督をはじめスタッフの皆さんの言うことに従うようにしています。

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