『警視庁アウトサイダー』柳葉敏郎の切なすぎる“幕引き” 架川と蓮見が追う敵は同じ?

『警視庁アウトサイダー』柳葉敏郎の幕引き

 第4話目にして早くも“マル暴”時代の架川英児(西島秀俊)を陥れた相手が判明した『警視庁アウトサイダー』(テレビ朝日系)。そして蓮見光輔(濱田岳)が追っている父・梶間優人(神尾佑)の冤罪事件と架川が追う敵が繋がっている可能性が非常に高いことも明らかになる。

 架川の恩人の警視庁生活安全部参事官・黒石元警視正(井上肇)。彼の自殺のきっかけとなった不倫スキャンダルの相手女性が、暴力団“鷲見組”の管轄下である飲食店でバイトしていたことがわかる。そして梶間が殺害したとされているホステスの勤務先もまた、“信濃一家”という長野を拠点とする鷲見組の傘下の組管轄だった。

 そこで、元“マル暴”出身の架川は「敵の敵は味方」だという元上司・藤原要(柳葉敏郎)の教えを元に、ある人物を頼る。それこそが鷲見組の敵対組織“一途会”最高顧問・手嶌春(浅野ゆう子)だ。凄みたっぷりに春役を演じる浅野の女帝然とした貫禄と余裕ぶりは説得力に溢れており、見事だった。

 さて、春からの情報提供を元に取引現場におびき寄せられた“鷲見組の犬”はなんと藤原だった。一斉検挙予定だったロシアマフィアと鷲見組の麻薬取引の現場を取り逃がしたことから、架川は鷲見組に事前に情報を流していたという嫌疑がかけられ刑事課に左遷になったわけだが、これは藤原の仕業だったのだ。

 彼は娘が起こしてしまったひき逃げ事件を抹消してもらう代わりに、組対(組織犯罪対策部)の課長から自身にとって邪魔な存在である黒石を失脚させるよう依頼を受ける。そこで鷲見組を頼ったが最後。今度は彼らから組対の情報を求められ、例の麻薬取引現場への潜入情報を事前に流し、そしてその疑惑を架川に擦りつけたというわけだ。

 ただ、黒石の自殺現場に彼の元妻を呼び出し、架川と引き合わせたのも他でもない藤原だった。もちろん架川をより真相に近づけてしまいかねないリスクがありながらも、それも承知の上で。現に、黒石が架川宛てに書いていた「あれは罠だ。私ははめられた。君も気をつけろ」という手紙が元妻から手渡されたわけだ。

 架川が言う通り、藤原はずっと“家族と正義、どっちを守るか”で揺れていたのだ。こうなる展開を見越していたのであろう藤原は、こっそり蓮見に“架川をよろしく”と挨拶までしていたのだから。

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