『相棒』鈴木砂羽演じる美和子が“謎”を解明 右京と亀山が断ち切った事件の連鎖

『相棒』パワフルな美和子が“謎”を解明

 事件の始まりとなる犯行シーンや右京(水谷豊)と亀山(寺脇康文)の姿からではなく、なんと亀山の妻・美和子(鈴木砂羽)が働いている姿からスタートした1月25日放送の『相棒 season21』(テレビ朝日系)第14話。現在、フリージャーナリストとして活動している美和子は、受刑者と獄中結婚をした女性・聖美(陽月華)に取材しようとある民家を訪れようとしていた。今回の物語は、美和子と聖美、このふたりの女性に注目したい。

 聖美は、通り魔殺人で1人を殺害し、長年服役していた柳沼勝治(忍成修吾)と結婚。勝治は、「死刑になりたかった」という理由で事件を起こし、裁判でも「あと2人くらい殺していれば死刑になったのにな」と発言するほど救いようがない男なのだが、聖美は勝治がまだ刑務所にいた時から弁護士を通して手紙のやりとりをし、アプローチしたのだという。勝治は出所の半年前に脳梗塞で倒れ、瞬きや端末への視線入力でしか意思疎通のできない寝たきりになってしまったが、聖美はホームヘルパーの手を借りながら、そんな夫の世話を甲斐甲斐しく続けているのだった。

 取材先に少し早めに着いた美和子がインターホンを鳴らしても誰も出てこないことを不審に思い、中に入ると、勝治が繋がれている呼吸器が外れていることを知らせる警告音が鳴り響き、勝治のそばにはホームヘルパーの男性の遺体が。驚く間もなく、美和子自身も何者かに襲われてしまう。

 『CSI:科学捜査班』のような凶悪犯罪を描いた海外ドラマでは、罪を犯すような“悪い男”に憧れて、テレビで見ただけの受刑者に連絡を取り、出所後の生活の手助けをしたり、恋人として刑務所を訪れ、獄中からの犯罪指示に従ったりする女性が度々登場する。だが聖美は、大手商社でバリバリ働くキャリアウーマン。チャラそうでもなく、“悪い男”に惹かれそうなタイプでもない。そんな彼女がどうして勝治のような男と結婚したのだろうか。

 その謎は右京や亀山ではなく、怪我をしてもなお、パワフルな美和子が解明してくれた。美和子は病院を抜け出し、かつて家の事情で静岡の親戚に預けられていたことがあるという聖美の話を元に、取材を続行。幼い頃、ひとりぼっちだった聖美の遊び相手になってくれていたのが、勝治の引き起こした通り魔事件の唯一の被害者・綾(羽村純子)だったという重要な情報を掴んだ。聖美は、どうやら復讐のために勝治と結婚したようなのだ。

 右京と亀山がそれらの事実を聖美に告げると、聖美は美和子の調査通り、勝治に復讐心があることを認めた。当初はすぐに殺そうと思っていたようなのだが、勝治が脳梗塞になったことで「あの男が生きる希望を見出した時に殺してやろう」と思い直し、献身的に支えていたのだという。キリリとした表情の裏にこのような暗い感情を抱えていた聖美。

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