松山ケンイチの魅力が凝縮された『100万回 言えばよかった』 譲から直木へ“憑依”の芝居

『100万回』松山ケンイチの魅力が凝縮

 これから数カ月間、こんなにも松山ケンイチの演技を堪能できる時間が毎週やってくるなんて、なんて幸せなことだろう。

 1月13日より、金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』(TBS系)がスタートした。このドラマは、数奇な運命に翻弄されながらも奇跡を起こそうとする3人のファンタジーラブストーリー。松山は、現世をさまよう幽霊となった鳥野直木(佐藤健)が見え、会話もできてしまう刑事・魚住譲を演じている。譲は、直木に頼み込まれ、行方不明になった彼を懸命に探す恋人の相馬悠依(井上真央)に、なんとか直木が存在していることを伝えようとする。時を同じくして、自身が関わる事件に直木が関係している可能性が浮上。直木の死の真相にも迫っていくこととなる。

 譲は、真面目そうではあるのだが、愛嬌がなく、ぶっきらぼうな物言いをしてしまう性格のようだ。直木を探して、警察に行方不明者届を出そうとしている悠依に譲は、成人男性の失踪は「ご本人が自らの意思で姿を消したというケースがほとんどなので」と断言してしまう。これでは悠依が知らぬ間に直木に愛想をつかされ、捨てられたと言っているようなものだ。なんとも不器用な男である。

 一方で、見えるようになってしまった直木とのやりとりは軽快だ。悠依に存在を伝えたい直木は必死で、いつもは無口だなんて嘘のように譲にいろいろ訴えかける。譲は、面倒ごとに巻き込まれたくない思いから、ちょっと抵抗しながらも、その勢いに押されるように直木の言うことに従ってしまっている。その様子がなんだかコントのようにも見え、クスッと笑えてしまう。

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