『どうする家康』松本潤×山田裕貴、魂のぶつかり合い 元康を“覚醒”に導いた忠勝と小平太

『どうする家康』家康を覚醒に導いた忠勝の涙

 元康や家臣団と向き合う忠勝は、一見すると無愛想でぶっきらぼうな人物像に映るが、誰よりも道義に堅い人物である。忠勝が自身の素直な感情を誠意を持って元康にぶつけたからこそ、元康の心に変化が生じる。強い忠義心をもった忠勝と向き合った元康は、尾張で人質となった日々を思い出す。

 相撲をとる信長と屈強な小姓たちに餌食となった竹千代(川口和空)が「地獄じゃ」とつぶやけば、信長がうれしそうに笑う。しかしある日、信長に果敢に挑んだ竹千代は、「弱ければ死ぬだけじゃ」「来い、白兎」という信長に「違う!」と抗う。竹千代演じる川口の決死の声色に、竹千代の変化が見てとれる。竹千代は信長を倒し、腕を締め上げた。

「竹千代は……虎じゃ!」

 信長の腕を締め上げたのは束の間で、竹千代はあっという間に押さえつけられるが、信長は「そうじゃ、その目じゃ」「その目だけは忘れるな」とだけ告げる。

杉野遥亮、小平太は「大事なところを持っていく人」 松本潤との初対面シーンの裏側を語る

毎週日曜日に放送されているNHK大河ドラマ『どうする家康』第2回から登場した杉野遥亮のコメントが公開された。  NHK大河ドラ…

 のちに、小平太(杉野遥亮)から「厭離穢土欣求浄土」の真の意味を聞かされ、元康は覚悟を決めた。元康は金荼美具足を身につけ、寺の総門を開けると、昌久と真正面から向き合う。昌久は元康の気迫に気圧され、腰を抜かした。三河を平定し、いかなる敵からも守ってみせると言い放つ元康の姿は別人のように堂々としている。元康の気迫に呼応するかのように、家臣たちも「道を開けよ」と敵軍を蹴散らす。その中には忠勝の姿もあった。

 家臣たちの士気を高めた元康だが、『どうする家康』のタイトルよろしく、決して勇ましくは終わらない。城の居室に戻るや否や、元康は膝から崩れ落ち「どうしよう、これから……」と涙目だ。信長にしごき倒された竹千代が見せた闘志も魅力的だが、臆病で優柔不断と言うのもやはり新鮮で面白い。

 また気迫といえば、織田信秀(藤岡弘、)と信長が対峙する場面での2人の凄みや力強い存在感を放つ武田信玄(阿部寛)も強く印象に残る。次々と現れる強者に「か弱いプリンス」はどう立ち向かうのだろうか。

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

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