『舞いあがれ!』視聴者も必見? リーマンショックを理解するアメリカ映画3選
『ノマドランド』
第93回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞を受賞したクロエ・ジャオ監督『ノマドランド』(2020年)は、リーマンショックの影響で家を失い、ノマド(遊牧民)生活をしている主人公の映画だ。原作は、ジェシカ・ブルーダーのベストセラー・ノンフィクション『ノマド:漂流する高齢労働者たち』。
『ノマドランド』で旅する荒野と記憶 自分にとって誇れる人生とは何か、教えてくれる路上
リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週…
60代の女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)は夫と家を失い、車上生活を始める。キャンピングカーで全米を移動しながら、季節労働の現場を渡り歩くファーン。かつて教員をしていた彼女は、スーパーマーケットで教え子と会い、「先生はホームレスになったの?」と聞かれる場面がある。「ホームレスではなく、ハウスレスよ」と答えるシーンが印象的だ。愛する夫と暮らしていた我が家を取り上げられ、苦しい思いをしたファーンだが、誇りは失わず、前を向こうとしている。
『舞いあがれ!』の舞とめぐみも、浩太を亡くし、IWAKURAが危機に直面する中でも、ファーンのように必死に前を向こうと模索する。家族であり、リーマンショックを切り抜けた成功者である悠人が、IWAKURAの救世主になることを願うばかりだ。