『M3GAN/ミーガン』TikTok大バズりで北米ヒット 『アバター:WoW』興収5億ドル突破

『M3GAN/ミーガン』北米でSNS大流行

 年始の映画興行は、ホリデーシーズンを経たことによって空白期間となることが多い。しかし、2023年はじめての週末は、2本のヒット作がハリウッドを力強く引っ張った。

 1月6日~8日の北米週末興行収入ランキングは、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』と、ジェームズ・ワン&ジェイソン・ブラム製作『M3GAN/ミーガン』がそれぞれ第1位・第2位を獲得。ともに興行として目覚ましい快挙となっている。

 『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は、2022年12月16日の劇場公開から23日目となる1月7日に北米興収5億ドルを突破。コロナ禍では『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021年)と『トップガン マーヴェリック』(2022年)に次いで3本目の記録で、達成までの日数は『トップガン マーヴェリック』の32日よりも9日短かった。

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』©︎2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 また、本作は海外市場で11億9130万ドルを記録。世界累計興収は17億ドルを超えて、『ジュラシック・ワールド』(2015年)を抜いて歴代第7位となった。

 華々しいデビューを飾ったのは、『ソウ』『死霊館』シリーズのジェームズ・ワン監督と、ホラー/スリラーの大家ジェイソン・ブラムという2大巨頭がプロデュースした『M3GAN/ミーガン』だ。1700万~2000万ドル程度との予想をあっさりと上回り、3日間で3020万ドルを記録。すでに世界興収は4503万ドルとなっている。

 本作は、玩具メーカーの研究者・ジェマが開発したAI人形・M3GAN(ミーガン)が、「何があろうと子どもを守るように」との指示を受け、想像を絶する恐怖を巻き起こしてゆく物語。原案・製作を務めたワンは、『チャイルド・プレイ』シリーズのチャッキーのような“殺人人形”のアイコンを現代に作り出したいと考えたそう。ホラーとコメディの稀有な融合が評価され、Rotten Tomatoesでは批評家スコア93%、観客スコア80%の好記録となっている。

 ホラージャンルの可能性は、たとえ低予算であっても、評価や口コミ次第で驚くべきスマッシュヒットとなりうること。『M3GAN/ミーガン』の製作費は1200万ドルだから、3000万ドル超えの滑り出しは極めて上々だ。なお、1月初週の公開作品で3000万ドル以上の初動を実現したのは『デビル・インサイド』(2012年)以来11年ぶりとなる。

 本作は若い世代をターゲットとしていたが、この狙いは見事に成功。観客の男女比は女性53%・男性47%、18歳~34歳という若い層が全体の6割以上を占めることとなった。ヒットのカギを握ったのは、AI人形・M3GANが劇中で披露するダンス。これが公開前からTikTokでバズりまくり、関連ハッシュタグの視聴回数は累計13億回を突破。同じダンスに挑戦する投稿者も多発した。

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