この上ない映画鑑賞体験! 『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』で“水”を感じる

『アバター:WoW』は極上の映画体験

 実際に作品を観てみると、前作を遥かに超える映像体験だった。事前に見ていた予告編や、劇場で鑑賞できたフッテージ映像などからも、映像のクオリティには目を見張るものがあったが、やはり劇場で鑑賞するとそれ以上の驚きと感動があった。それは、もはやこれが映画なのかさえもわからないくらい。海のシーンに入るまでがかなり長かったのは予想外だったが、海のシーンになってからの映像はどのシーンを切り取っても絵になるような美しさ。3Dの映像もリアルすぎて、まるで自分が海の中にいると錯覚してしまうシーンもあるほど。映画を通して“水”を感じることができるなんて、こんな映画鑑賞体験はおそらく他の作品ではもうないのではないだろうか。同じく“海”が大きな舞台装置として機能していた『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』の海上でのバトルシーンが若干霞んでしまうほどだった。それほど驚きの映像体験なので、IMAX 3Dのハイフレームレートでの上映はマストでオススメしたい。

 映像が格段に進化している一方で、ストーリーにも大きな変化があった。前作『アバター』は、帝国主義や環境問題などの社会的イシューがベースにある中で、アクションやラブストーリーが展開されていたが、今回の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は、主人公であるジェイク(サム・ワーシントン)とネイティリ(ゾーイ・サルダナ)に子供が生まれたことにより“家族”が大きなテーマとなっており、人間ドラマの要素が格段に強まっている。見せ場的にも、ネテヤム(ジェームズ・フラッターズ)、ロアク(ブリテン・ダルトン)、キリ(シガニー・ウィーバー)ら、ジェイクとネイティリの子供たちのシーンが重要な要素を担っており、まさに“継承”の物語とも言えるだろう。

 前作から13年ぶりの続編となった『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』以降は、2024年公開予定の『アバター3』、2026年公開予定の『アバター4』、そして2028年公開予定の『アバター5』と、2年おきに新作が作られるという『アバター』シリーズ。技術的な進化はそこまで見られそうにないだけに、今後どのようなストーリーが紡がれていくのか。次回作以降はその点にも大きな期待を寄せたい。

■公開情報
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
全国公開中
監督:ジェームズ・キャメロン
出演:サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバーほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©︎2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

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