『舞いあがれ!』福原遥に遅れてきた反抗期 久留美&貴司は“いい子”の殻を破れるか?
舞たち幼なじみズは、一言でいえば昔から“いい子”だ。親に反発することもなく、常に心配をかけまいと振る舞ってきた。だから自分の気持ちを置き去りにしがちで、幼い頃の舞はそのストレスが体調に現れてしまったほど。舞の場合はそれを克服するきっかけがあり、今回のように反対されても一歩も引かない姿勢を示せるまでに成長した。
だが、久留美は幼い頃に家を出ていった母親に会いたい気持ちはあるものの、父親の佳晴(松尾諭)に気を遣って連絡を取るのさえ躊躇してしまう。貴司は仕事で見るからに疲弊しているのに、周りに心配をかけたくないのか弱音も吐かない。いっぱい溜め込んだ気持ちが今にも破裂しそうで、見ているこちらは少し心配になってしまう。だから久留美が佳晴と喧嘩してプチ家出したり、貴司が両親に連絡もしないまま行方をくらませたり、少しずつ感情で行動できるようになったのは良い兆候なのではないだろうか。
一方で、カフェ「ノーサイド」の主人・道子(たくませいこ)が言うように舞たちが思う以上に親も子どものことを心配している。浩太とめぐみは舞が航空学校に入った後にぶち当たるであろう壁も想定していた。なにせ、舞台は2005年。日本初の女性旅客機機長が誕生する5年前である。貴司と久留美の親も彼らが自分の気持ちを溜め込むタイプであることはお見通しで、だから余計に心配なのだ。それぞれの家庭で、親と子が改めて向き合うときが来たのかもしれない。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK