『舞いあがれ!』『スカーレット』『エール』 朝ドラ主人公にとってかけがえのない親友たち

朝ドラ主人公にとってかけがえのない親友たち

 連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)の第6週となる「スワン号の奇跡」が放送された。舞(福原遥)と部員たちの夢を乗せたスワン号が琵琶湖に向けて勢いよく飛びたった。だが最初こそ順調に飛んでいたスワン号は、やがて失速。目標としていた女性パイロットの世界新記録を達成することなく、なにわバードマンの夏は終わる。

 この経験を通して、舞には新たな夢が芽生えた。それは旅客機のパイロットとして空を飛ぶということ。だがパイロットを目指すには、せっかく入った大学から進路を変え航空学校を再受験しなければならない。舞はそれを親に言い出せずにいた。その舞が兄の悠人(横山裕)の次に、心を開いて打ち明けたのが幼なじみの久留美(山下美月)と貴司(赤楚衛二)であった。

 これまでも朝ドラには、主人公の幼なじみが数多く登場してきた。共に励まし合い、時に支え合い、喧嘩もしながら作品を彩ってきたのだ。近年の作品の中でも、舞、久留美、貴司と同じ“仲良し3人組”として思い出されるのが第101作目の朝ドラ『スカーレット』の3人である。主人公・喜美子(戸田恵梨香)の幼少期から共に草間流柔道の稽古に励み友情をはぐくんできたのが、大野家の一人息子・ 信作(林遣都)と、「丸熊陶業」の娘・照子(大島優子)だ。喜美子はやがて丸熊陶業に就職し、信作は喜美子の妹と結婚する。親交は長く続き、2人は主人公の人生に深くかかわることになる。

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 また第102作目の朝ドラ『エール』の3人組といえば、主人公の裕一(窪田正孝)と、幼なじみの久志(山崎育三郎)、鉄男(中村蒼)である。幼少期には性格も格好も異なる3人だったが、やがてそれぞれが音楽の道へと進む。再会を果たしてからは互いの特技で支えあい「福島三羽ガラス」として世間に名を馳せた。朝ドラの醍醐味の一つが、幼少期の主人公とそれを取り巻く幼なじみがどんな大人に成長していくのかを見守っていけることだ。主人公に強い影響を与える幼なじみは、時には主人公やその兄弟と恋仲になることもあれば、仕事のパートナーになることも。加えて、彼らの人生も主人公同様に順風満帆な訳ではなく、一人一人に「ドラマ」があるのだ。

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