高梨臨が常に考える“何を求められているのか” 『PICU』で安田顕と作り上げる関係性

高梨臨が語る『PICU』で作り上げる関係性

 フジテレビ系月9ドラマ『PICU 小児集中治療室』のしこちゃん先生(吉沢亮)と子どもたちの奮闘に毎週涙が止まらない。

 駆け出しの小児科医・志子田を導く植野先生(安田顕)と共に彼を支える一人が、看護師・羽生仁子だ。羽生は植野と共に東京や長野のPICUで働き、北海道のPICUにやってきた。元気で明るい性格でPICUのムードメーカー的存在。頼りない武四郎をいじりながらも鼓舞してもり立てる。そんな羽生を演じる高梨臨に、明るいキャラクターを演じる上で意識しいていることや、PICUのメンバー同士のように普段コミュニケーションをとる上で大切にしていることを聞いた。

植野と羽生の“暗黙の了解”の関係性

――毎週、涙しながらドラマを拝見しています。高梨さんにも多くの反響が届いているのではないでしょうか。

高梨臨(以下、高梨):PICU(小児集中治療室)に関わっている友達からは、放送が始まる前に連絡が来ました。ふだんは放送が始まってから「観たよ」と連絡をもらうことが多いので、すごく期待されているんだなと思いましたし、そのぶん責任を持って良い作品にしていかなきゃいけないなという気持ちでしたね。放送開始後には、やっぱり「泣いちゃった」という声が一番多くて。観ていて辛くなることももちろんあると思うんですけど、みんなが前に進んでいく姿を応援してもらえたら嬉しいです。

――羽生を演じてみて、感想はいかがですか?

高梨:最初に「ムードメーカー的な明るい感じで」と言われたので、まずは自分なりにやってみました。でも、実際に共演者のみなさんと一緒にお芝居をしてみると、台本を読んで考えていたイメージとは違っていることも多いので、今、探り探り自分の居場所を作っている感じです。

――たとえば、どんなところに違いが?

高梨:私はこれまで吉沢さんにお会いしたことがなくて、どういうお芝居をされる方なのかもわからなくて。この作品は原作もないですし、私の中でしこちゃん先生は“頑張っているけど、ちょっとダメで愛らしい医者”というイメージだったんです。でも、実際に吉沢さんが演じられるとキャラクターっぽくないというか、生々しい人間らしさがある。台本を読んだときとのギャップは、そこが一番大きかったですね。それが吉沢さんの魅力だなと思いながら、いつも楽しみにお芝居を見させてもらっています。

――羽生を演じる上で、どんな役作りをされましたか?

高梨:実際のPICUを見学させていただいて、看護師長さんとお話する時間ももらいました。その方は羽生と同年代の方だったのですが、すごくしっかりされていて、私の質問に受け答えしてくださるときにも、どっしりと構えているような印象で。羽生はその方をモデルに、ちょっとうるさいことを言ってみたり、自分の色を出しつつバランスを見て演じています。私自身、頼りない人間なので難しいところではあるんですけど、師長さんに感じた安心感のようなものを出せたらいいなと思っています。

――羽生は“はっきりと物事を言うけど、憎めないキャラクター”のように感じますが、その塩梅が難しそうです。

高梨:言葉のテンションには、すごく気をつけています。結構ズケズケものを言うので、嫌な感じに聞こえないようにするにはどうしたらいいんだろう、と。怒っていても“相手にぶつける感じ”ではなくて、“自分が勝手に怒ってる感じ”に受け取ってもらえるような言い方にしたいと思って、台本を読みながら家でも練習していました。

――羽生の人柄や、安田顕さん演じる植野先生との関係性も素敵ですよね。

高梨:羽生はパワフルで、すごく強い人間だなと思います。子どもには頭が上がらないようなチャーミングな一面もあるけど、自分の信念を持って植野先生のことを慕っているので、2人の絆はめちゃくちゃ強いんです。わちゃわちゃ言いながらも、「彼が行くところに私もついて行く」という信頼がベースにあるのかなと思います。

――安田さんとのお芝居で意識していることはありますか?

高梨:羽生と植野先生は、あまり言葉を交わさなくても暗黙の了解があるといいますか。たとえば、植野先生が電話をしながらふと手を動かしたときに、「メモだな」と思ってすぐにメモ帳を差し出すことができる。お互いのことが目線だけでわかる、という関係性が表現できたらいいなと思っています。

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