『相棒』寺脇康文が見せる亀山薫の変化 右京＆伊丹との連携プレーが事件解決に導く
亀山も突発的に逃げてしまったわけではない。塩見の息子が父の死に疑念を抱いていることを知った亀山は一人で調査を進めていたのだ。逃亡直後、右京に「こうするのが一番なんです」と語った亀山は、羽柴が押収された薬物を売人に横流ししていると考え、自分が疑われ、逃げれば必ず羽柴が動き、その裏にいる人物が炙り出されると予想したのだ。そしてその通り、今回の発端となった輸入雑貨店の店長殺害事件も、亀山の恩人・塩見の死の真相も明らかとなる。
亀山といえば、事件解決に情熱的すぎて無鉄砲な行動をする人物というイメージがあったが、そのイメージはそろそろ捨てなければならないだろう。もちろん今回も疑わしい人物を“水責め”のようにして、真実を聞き出そうとするなど、その行動にはまだ危なっかしいところがあった。だがそれは、決して向こうみずなものではなく、右京をはじめとした仲間が協力してくれると踏んでのことなのだ。ある意味で策士の行動である。この事件の解決は右京と亀山、そして伊丹の連携プレーによって生み出されたものだと言っても過言ではないだろう。
その後、「右京さんなら俺の思いを汲み取って真相を突き止めてくれる」、「君、少しは君に振り回されたこっちの身にもなってくださいね」と和やかに酒を酌み交わしていた右京と亀山。その言葉には、お互いの強い信頼感が感じられた。でも今回ばかりは、どんなに嫌な顔をされても、実は伊丹も一役買っているんだぞと亀山に教えたい、そんな気持ちになったのだった。
■放送情報
『相棒 season21』
テレビ朝日系にて、毎週水曜21:00～21:54放送
出演：水谷豊、寺脇康文、森口瑤子、鈴木砂羽、川原和久、山中崇史、篠原ゆき子、山西惇、田中隆三、神保悟志、小野了、片桐竜次、杉本哲太、仲間由紀恵、石坂浩二ほか
エグゼクティブプロデューサー：桑田潔
チーフプロデューサー：佐藤凉一
プロデューサー：高野渉、西平敦郎、土田真通
脚本：輿水泰弘ほか
監督：橋本一ほか
音楽：池頼広
制作：テレビ朝日、東映
©テレビ朝日・東映
公式Twitter：@AibouNow
