『相棒』寺脇康文が見せる亀山薫の変化 右京&伊丹との連携プレーが事件解決に導く
「あなたも災難ですね」
右京(水谷豊)がかけられた言葉に思わず苦笑してしまった。10月26日放送の『相棒 season21』(テレビ朝日系)第3話のタイトルは「逃亡者 亀山薫」。特命係に復帰した亀山(寺脇康文)は殺人の容疑者とされたばかりか、なぜか本人が現場から逃亡。早くも大ピンチに陥っていた。
池袋で過去に覚醒剤の売人だった輸入雑貨店の店長が殺害され、犯人が逃亡する事件が発生。現場近くで発見された血ぬれのフライトジャケットや目撃者の証言などから、亀山が容疑者として浮上する。美和子(鈴木砂羽)によると、亀山は最近、運転免許試験場に異動させられていた当時に世話になった塩見(長谷川公彦)という人物について調べていたという。ただ、塩見は池袋中央署に勤めていた4年前、事故死していた。一方、警視庁には池袋中央署の羽柴(波岡一喜)という刑事が現れる。
「右京さん、あとはよろしくお願いします」と電話をかけてきた亀山が逃亡を続ける中、右京は独自の捜査を開始。今回、亀山の代わりとなって捜査の“相棒”となったのが、亀山とは捜査一課同期にしてのライバル、互いに憎まれ口を叩き合う犬猿の仲である伊丹(川原和久)だ。伊丹は、羽柴の上層部への進言により、亀山の逃亡を助けているのではないかと疑われ、捜査から外されてしまったのだった。
伊丹の捜査の甲斐もあり、ここから、塩見と羽柴の関係、塩見が死亡した当時、押収した薬物が、署内から消える事件があったことなど、事件のキーポイントが次々に明らかになっていく様子は、見ていて気持ちがよかった。いつもは特命係に手柄を取られてしまい、いいところなしになりがちの伊丹だが、伊達に何十年も警視庁の捜査一課刑事をやっているわけではないのだ。伊丹の亀山を思う気持ちと正義感が強い熱血刑事の一面が垣間見れる一幕だった。