『舞いあがれ!』なにわバードマンの個性的な面々 由良が語るアメリア・イアハートの言葉

『舞いあがれ!』由良が語るイアハートの言葉

 第2週でばらもん凧、第3週で模型飛行機を飛ばしてきた『舞いあがれ!』(NHK総合)。第19話では、舞(福原遥)の所属する「なにわバードマン」がテストフライトに挑んだ。

 8月の記録飛行と、その前に行われるテストフライトに向けて、決起会に集ったなにわバードマンの面々。会場となったのは空山(新名基浩)が働く居酒屋で、無口な空山が接客する姿を見て舞は目を丸くする。ふだん地道な作業やミーティングの姿しか知らない部員たちの、個性的な横顔が明らかになった。

 酔って部員たちに絡む玉本(細川岳)は、実は彼女に振られたばかり。鶴田(足立英)は由良(吉谷彩子)のことが好きらしいが、由良にその気はなく……。設計担当の刈谷(高杉真宙)にはロマンチストな一面があった。話題は1回生たちの入部動機へ。日下部(森田大鼓)は刈谷に憧れて浪速大学に入学。『イカロスコンテスト2003』の特集番組で刈谷を知ったことがきっかけだった。同じ番組を見ていたのが藤谷(山形匠)。引き笑いが特徴的な藤谷は、墜落時に鶴田が叫んだ「翼が折れても心は折れへん!」に心をわしづかみにされた。

 「小さい頃から飛行機が好きなんです」と舞。舞が描いたルータン バリ・イージーやボーイング747のスケッチに部員たちは食いつく。飛行機トークでいちばん盛り上がるあたり、さすが飛行機サークルである。キャラクターの個性を見せながら、多人数の会話を生き生きと描写するセリフ運びが秀逸だった。

 後半の舞と由良の会話は、本作にとって示唆的な内容を含むものだった。「スワン号」のパイロットとして、飲み会でも食事を控えていた由良だが、ストイックさの裏には悔しさがあった。「ずっと野球やっててん。小2から小6までピッチャーで4番やった」と由良。しかし、中学に入り「同じチームの男子がどんどん体おっきなって、遠くまで飛ばすようになって、私が渾身の力込めた球も簡単に打たれてしまうねん」。野球を辞めてぼんやりしていた時に出会ったのが、アメリア・イアハートの伝記だった。女性で初めて大西洋横断飛行に成功したイアハートは、数々の記録を打ち立てる。イアハートの生涯を知った由良は、「女でも男に負けへんことができんねや」と思い、パイロットになることを決意。夢を実現するため、スワン号のパイロットに志願したのだった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる