『ボーイフレンド降臨!』髙橋海人が田中みな実の心に与える“彩り” 三宅健の憎めなさも

髙橋海人が田中みな実の心に与える“彩り”

 年齢を重ねていくと、自分の伸びしろに気付いてしまう瞬間がある。どんなに頑張ったって、才能がある人には敵わない。ああ、もう現実と向き合うしかないんだ……と。『ボーイフレンド降臨!』(テレビ朝日系)第2話は、そんな葛藤を抱えるアラフォー女性・渉(田中みな実)の心に、アサヒ(髙橋海人)が“彩り”を与えた回だった。

 あっけらかんとしている人ほど、実は心に葛藤を抱いていたりする。渉は、まさにそれを体現しているかのような人物だ。かしこ(桜井ユキ)や、アサヒといる時は、未来に対する不安がまったくないように見えるし、どちらかと言えば“幸せすぎてウザい奴”くらいのハッピーオーラを纏っている。

 しかし、そんな渉が、恋人・要(三宅健)の前では、“健気”な女の子に変わってしまうのだ。悪く言うならば、都合のいい女。彼女の持ち味であるストレートな物言いも、消え失せてしまう。いちばん素を見てほしい恋人の前で、いちばん自分らしくない自分を見せてしまっているように思える。

 もちろん、好きな相手の前で取り繕いたくなる気持ちは、誰にだってある。嫌われたくないから思っていることを言えなかったり、つい臆病になってしまったり。でも、多くの人が思ったのではないだろうか。「この恋って、幸せなの? 」と。

 夢想家でビックマウスな要は、まさに“ダメンズ”の代表格だ。小劇団の主宰者とは言うものの、いまいちパッとしない。ずっとそばで見てきた渉は、すでに気付いているはず。彼に、そこまでの才能がないことに。それでも、「すごい」と言い続けているのは、自分に言い聞かせるためでもあるのだろう。

 「このままでいいの?」と思っていても、引き返せない。35歳というのは、大きく環境を変えるのに、勇気がいる年頃でもある。本当は、支える側に徹する生き方をしたいわけじゃないのに。彼のために節約レシピを考える時間があれば、自分の足で舞台に立ちたい。ゴーストライターだって、本当はやりたくない。でも、いい。今のままで、幸せなんだから……と諦めていた渉の心のなかに、アサヒがスッと入っていく。

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