玉森裕太の魅力は天性の愛らしさ 『祈りのカルテ』で子犬のような医者の誕生に期待大

玉森裕太の魅力は天性の愛らしさ

 カルテには、患者の秘密が隠されているーー。

 研修医・諏訪野(玉森裕太)が、“カルテ”を通して患者たちの秘密と嘘を優しく見破るハートウォーミング・ミステリー『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』(日本テレビ系/以下『祈りのカルテ』)が、10月8日よりスタートする。

 本作で玉森が演じる諏訪野は、“相手の顔色を読むことが抜群にうまい”研修医。この設定を見た時、諏訪野はいわゆるキレ者なのかな? と思った。昨年放送のドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系/以下『ボス恋』)や、7月期放送の『NICE FLIGHT!』(テレビ朝日系)などを経て、“可愛い子犬系男子”のイメージが定着しつつある玉森にとって、新境地になる役柄なのではないか……と。

 しかし、9月9日に公開された予告を観て、「そう来たか!」と驚かされた。怖い顔をしてカルテを眺めたかと思えば、あたふたしながら先輩医師のもとに駆けつけていく。そして、「カルテが、すべて教えてくれました」とミステリードラマの主人公さながらのキメ顔をした直後に、横にあった資料をパタパタと落とす。しかも、オペ中の医師を応援するために、なぜかZARDの「負けないで」を歌い出しちゃうし。「いやいや、ここはカラオケじゃないんだよ!」と心のなかでツッコミを入れてしまった。一生懸命なのは分かるけれど、どこかキメきれない。それなのに、なぜか愛おしく思えてしまうというか……。諏訪野は、玉森が持つ愛らしさが最大限に生かされた役柄だったのだ。

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 知識も技術もまだないひよっこだけど、誰よりも患者に寄り添い、患者のために一生懸命になれる諏訪野。ただ、人の気持ちに寄り添いすぎてしまう性格は、一歩間違えればただのお節介になりかねない。闘病でストレスを感じている患者にとっては、なおのこと。「ちょっと放っておいてよ」と怒られるのも、無理はないだろう。予告映像にも、「人が必死に隠そうとしていること、暴いてうれしい?」などと激怒されているシーンが登場していた。

 しかし、そう突き返す彼らも、きっと心の奥底では“分かってほしい”と願っているはず。そんな時、「悲しいです、すごく。僕は、あなたの担当医です」と子犬のような純な瞳で語りかけてくれる医師がいたら……。なんだか、悩みを打ち明けたくなってしまうのではないだろうか。打算なしで、ただただ純な気持ちで向き合ってくれていることが伝わってくる温かな微笑み。これは、玉森が『ボス恋』を経て身につけた俳優としての強みと言える。

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