令和版『るろうに剣心』はイメージを一新? 斉藤壮馬と高橋李依による剣心&薫に期待

 『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の新作TVアニメが2023年にフジテレビのノイタミナ枠などで放送されることが決定。新たなスタッフ・声優陣で再アニメ化される通称、“るろ剣”に期待を寄せる原作ファンの声がSNSを中心に集まっている。

 1994年から1999年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された和月伸宏による原作は、シリーズ累計発行部数が7200万部を突破する人気作。1996年のTVアニメ化以降もOVAや小説、実写映画、ゲーム、舞台など、さまざまなメディアで展開され、アクション時代劇の金字塔として愛されてきた。

 舞台は明治維新後の日本。主人公の緋村剣心は、誰もが幸せに暮らせる新時代の到来を信じ、旧幕府軍と戦った維新志士のひとりだ。しかし、明治政府では一部の元志士たちが権力を欲しいままにしていた。未だ弱者が虐げられる世の中、かつて「人斬り抜刀斎」の異名で恐れられていた剣心は“不殺(ころさず)の誓い”を立て、全国を旅しながらか弱き人々のために逆刃刀を振るう。

 原作ではそんな剣心と、“人を活かす剣”を教える神谷活心流の若き師範代・神谷薫、かつて倒幕派の赤報隊に所属していた相楽左之助、明治維新の混乱により孤児となった明神弥彦らとの出会いを「東京編」、また国家転覆を企てる志々雄真実や剣心への復讐に燃える雪代縁ら宿敵との戦いをそれぞれ「京都編」「人誅編」として史実を織り交ぜながら描いている。

『るろうに剣心』が追求する“実写ならでは”の表現とは? 時代劇の美学と異なるリアリティ

和月伸宏のマンガを、大友啓史監督が実写映画化した『るろうに剣心』は、マンガ・アニメの実写映画化の成功例と言われる。シリーズ全5作…

 2012年から約10年にわたり続いた大友啓史監督による映画シリーズはそれらと、1999年に「追憶編」としてOVA化された剣心の過去にまつわるエピソードを佐藤健主演で実写化。スクリーンでは、全国各地での大規模ロケやアクションの本場である香港で映画制作に携わってきた谷垣健治の参加により生み出された壮大な世界観の中で、見事に原作キャラを再現した名優たちが縦横無尽に駆け駆け回った。シリーズ累計興行収入193億円という数字が証明するように、人気漫画を原作とした実写化作品の最たる成功例といえるだろう。

 2016年には宝塚公演の題材としても選ばれ、当時の雪組トップスター・早霧せいなが剣心、トップ娘役の咲妃みゆが薫を演じている。早霧はその2年後に新橋演舞場と大阪松竹座で上演された小池修一郎演出のミュージカルでも剣心役を再演。小池徹平主演で初めて「京都編」をミュージカル化した公演もコロナによる延期を経て今年ようやくIHIステージアラウンド東京でお披露目となり、360度回転する客席を活かした臨場感あふれる活劇が大きな話題となった。さらに2017年からは『ジャンプSQ.』(集英社)で続編となる「北海道編」の連載がスタートしており、誕生から約30年経った今もその人気は衰えるところを知らない。

 そんな『るろ剣』の新アニメプロジェクト始動が発表されたのは2021年12月のことだ。ファンから不安と喜びが入り混じる声が挙がったあの日から約10カ月。当初は明らかになっていなかったスタッフやキャストなどの詳細とともに、PVとキャラクタービジュアルが9月24日に開催された「アニプレックスオンラインフェス」にて、ついに解禁となった。

 2023年に放送される新作アニメでは、『ストライク・ザ・ブラッド』などで知られる山本秀世が監督、『メイドインアビス』を手がけた倉田英之がシリーズ構成を担当。実力派のスタッフが集結し、最新鋭のアニメーション技術で原作の第1話から再構築する。

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