チョン・ソミン×イ・ジェウク『還魂』シーズン1を振り返る 難解な設定や師弟関係が魅力に
衝撃の展開でシーズン1(全20話)の幕を閉じた『還魂』(Netflixで配信中)。まだ余韻から抜け出せずにいる人も少なくはないだろう。望んではいなかったけれど「こうなることはわかっていた」と心のどこかで納得している自分もいる。だからこそ光を見出すために、私たちも彼らについていくしかないのだ。ここではシーズン2に向けて、改めて本作の魅力を振り返ってみたいと思う。
舞台は歴史にも地図にも存在しないテホ国。人と人との魂が入れ替わる“還魂術”により運命が変わってしまった主人公たちが道を拓いていく物語は、ファンタジーでありながら軸がブレることなく進行してきた。結果として、最後まで高揚感を保ったまま飽きずに視聴できたのではないだろうか。やや難解な設定においても、視聴後の考察などを通して次回配信を心待ちにするほど作品に没入できるきっかけとなった。
脚本を担当するホン・ジョンウンとホン・ミランのホン姉妹は、過去にも『快刀ホン・ギルドン』(2008年)や『花遊記』(2017年)のフュージョン時代劇を手掛けている。今回は“還魂術”というテーマが多彩なストーリーを生み出し、アップグレードされたファンタジー劇だ。製作費約400億ウォンが投入された大作であり、第1話の冒頭からCG映像が使用されたナクス(コ・ユンジョン)とソンニムの総帥パク・ジン(ユ・ジュンサン)らとの戦闘シーンに圧倒されたことを思い出す。それ以降も術を使ったアクションシーンや還魂術が披露される場面などにもCG映像が駆使され、壮大に創り上げられた世界観はより一層夢中にさせてくれた。
ストーリーの軸を固めた大きな要因のひとつに、チャン・ウク(イ・ジェウク)とムドク(チョン・ソミン)の師弟関係が挙げられるだろう。還魂術によって生まれたウクと還魂術によってムドクの体に入ったナクスの運命が絡み合ってしまう事態は複雑だ。しかしここでは、2人の関係性と成長過程を丁寧に描いている。師匠のムドク(ナクス)が弟子であるウクのレベルを一段階ずつ上げていくために一緒に崖の端に立つことによって、命を懸けて共に限界を超えていく師弟関係が次第に愛へと変わっていくのもすんなりと受け入れられるわけだ。