『新・信長公記』永瀬廉の背中が仲間の心を動かす 小澤征悦演じる家康は生粋の悪魔なのか
強さは、誰かを守るためにある――。
思えば、信長(永瀬廉)は、いつも仲間のために戦っていた。どんなに喧嘩を売られても、自分一人が我慢すれば済むことなら、グッと堪える。しかし、仲間が危険な目に遭った時は、なりふり構わず立ち向かっていく。
その背中が、特進クラスの武将たちの心を動かしたのだろう。何を考えているか分からないし、時々突拍子もないことを言い出すけれど、彼には“ついていきたい”と思わせる力がある。
その一方、家康(小澤征悦)は、強さを自分のためだけに使ってきた。周囲を見下して、誰のことも信用しない。力を持っている時は、「それでも……」とついてきてくれる人もいるだろう。しかし、それは“妥協”だ。本当に、心から彼のことを思っているわけではない。自分のことだけを考えて生きてきた男の末路は、あまりにも苦しいものだった。
『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』(読売テレビ・日本テレビ系)第7話は、原作漫画にはない新展開を迎える。なんと、ジャンヌ・ダルク、始皇帝、ペリーのクローンが登場。博士(酒向芳)が実験的に生み出した海外からの刺客は、並の武将の10倍の戦闘力を持っているらしい。
そんな彼らが目論むのは、家康の敗北だ。3歳だった家康に、父である博士を殺された息子(波岡一喜)も、家康に復讐する日を待ちわびていた。
「傷は、つけられた者よりも、つけた者の記憶に、深く残る」
黒田(濱田岳)の言葉が、家康の過去とリンクしているように感じてしまう。博士を殺めてしまった過去は、決して許されることではない。もちろん、特進クラスの武将たちの心を傷つけたことも。だが、もしも彼が生粋の“悪魔”ではないとしたら……。他人を傷つけてしまった悲しい記憶を、たった一人で抱えてきたのだろうか。「苦しい」「つらい」と吐き出す権利は、自分にはない。そう言い聞かせて、必死に耐えてきたのだろうか。