『新・信長公記』永瀬廉の背中が仲間の心を動かす 小澤征悦演じる家康は生粋の悪魔なのか

『新・信長公記』永瀬廉が仲間の心を動かす

 正直なところ、筆者は、「(家康と)いつか、分かり合える日が来るといいのだが」と言う信長の気持ちが理解できずにいた。あんなにもひどいことをされてきたのに、なぜ分かり合いたいと思えるのか。みやび(山田杏奈)が、黒百合高校のメンバーらに人質にとられ、返す条件が“家康が敗北を認めること”だった時も、信長は迷わず家康をぶちのめすと思っていた。特進クラスが一致団結している今こそ、家康に勝てるチャンスだ!と。

 しかし、黒百合高校のメンバーに倒された家康を見た信長は、「救えなかった」とつぶやいた。そして、家康を奪還する宣言までしてのけたのだ。

 そこから、信長は家康の“本質”を理解していたのかもしれない、と思うようになってきた。竹中(柳俊太郎)が、「みやびを狙う」と言った時も、「あいつに何ができる? そんなくだらなおままごとを策と言うなら、好きにしろ。でも、二度と俺の耳に入れるな」と返した家康。黒百合高校に負けたのも、みやびを返してもらうためだったのかもしれない。冷酷非道な人間だと思っていたが、実は弱い者には優しいところがあるのだろうか。

 信長は、家康の中にあるわずかな“優しさ”をすくい取ることができる。誰も目を向けなかった部分に光を灯してあげることができる。人の悪いところを見るのではなく、いいところを探して伸ばしていく信長だからこそ、本当の意味で人の心を変えることができるのかもしれない。どんなに突き放しても、寄り添ってくれる相手を見つけた家康。第8話からは、“和の心”を持った家康の姿が見られるだろうか。

■放送情報
『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』
読売テレビ・日本テレビ系にて、毎週日曜22:30~23:25放送
出演:永瀬廉(King & Prince)、山田杏奈、西畑大吾(なにわ男子)、萩原利久、犬飼貴丈、三浦翔平、満島真之介、濱田岳、小澤征悦、柄本明
原作:甲斐谷忍『新・信長公記~ノブナガくんと私~』(講談社『ヤンマガKC』刊)
脚本:金沢知樹、伊達さん
監督:中島悟、豊島圭介
チーフプロデューサー:沼田賢治
プロデューサー:中山喬詞、小島祥子、清家優輝
共同プロデューサー:三上絵里子
制作協力:ファインエンターテイメント
制作著作:読売テレビ
©︎読売テレビ
公式サイト:https://www.ytv.co.jp/shinchokoki/
公式Twitter:@shincho_drama
公式Instagram:@shincho_drama

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