『リコリス・リコイル』は“使命”と“選択”の物語 三者三様の意志が交錯する最終章

千束を“生かした”吉松の真意とは

 そもそも吉松は、なぜ人工心臓の過充電という対処を選んだのだろうか。

 劇中でクルミが指摘している通り、アラン機関が望む使命に反していることによる処分なのであれば、周りくどい手段を使わず、既に千束を殺してもおかしくないはずなのだ。

 これまでの数々の暗躍や、ミカや真島とのやりとりなど、吉松の真意はまだ見えてこない部分が多い。アラン機関ではタブーとされている支援対象者との接触を通して、「娘」である千束に使命以外の感情を抱いてしまったのだろうか。

 「神からのギフト」である才能を世に届けるというアラン機関としての使命と、吉松自身の選択の意図についても、今後の注目ポイントになりそうだ。

 三者三様の「使命」を背負う中、それぞれの「選択」によって『リコリス・リコイル』はどのような結末を迎えるのか。

 真島討伐作戦を皮切りに、物語はさらに加速していくことだろう。勢いの止まらない本作の反動で振り落とされないようにしながら、彼女たちの未来を見届けていきたい。

■放送情報
『リコリス・リコイル』
TOKYO MX:毎週土曜23:30〜
とちぎテレビ:毎週土曜23:30〜
群馬テレビ:毎週土曜23:30〜
BS11:毎週土曜23:30〜
ABCテレビ:毎週水曜26:14〜
メ〜テレ:毎週木曜26:15〜
AT-X:毎週月曜22:00〜
ABEMA:毎週土曜23:30〜
原作:SpiderLily
監督:足立慎吾
出演:安済知佳、若山詩音、小清水亜美、久野美咲、さかき孝輔、河瀬茉希、小市眞琴、松岡禎丞、榊原優希、上田燿司
ストーリー原案:アサウラ
キャラクターデザイン:いみぎむる
副監督:丸山裕介
サブキャラクターデザイン:山本由美子
総作画監督:山本由美子、鈴木豪、竹内由香里、晶貴孝二
銃器・アクション監修:沢田犬二
プロップデザイン:朱原デーナ
美術監督:岡本穂高、池田真依子
美術設定:六七質
色彩設計:佐々木梓
CGディレクター:森岡俊宇
撮影監督:青嶋俊明
編集:須藤瞳
音響監督:吉田光平
音楽:睦月周平
制作:A-1Pictures
©SpiderLily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
公式サイト:https://lycoris-recoil.com/
公式 Twitter:https://twitter.com/lycoris_recoil

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