『還魂』チョン・ソミンが1人3役を演じる それぞれの決断が最終回にどう繋がるのか?

『還魂』チョン・ソミンが1人3役を演じる

 「強大な力を誰が放棄するのか」と言うチン・ムに対し、「守るべきものを守るためだ」と反論する総帥パク・ジン(ユ・ジュンサン)。大きな力ではむしろ守りたいものを守れない。つまりナクスのように力を捨てなければ誰も守れないのだ。冒頭に挙げたイ先生の言葉にある“去るべき者”とは「氷の石」を諦めきれないチン・ムやチェ氏の巫女らを指し、“戻るべき者”とは20年前、全ての発端であるチャン・ガン(チュ・サンウク)、または帝王星のウクを助ける7つの星が集まるという意味ではないだろうか。傍観しているイ先生だが、これから起こる事態を把握しているようでもある。チャン・ガンに宛てた白紙の手紙にはその答えが書かれているだろう。そしてウクは「氷の石」を失くしてテホ国を守るのではなく、「氷の石」を守って国を救うつもりだ。最愛の人を守りたかったソ・ギョン先生(ファン・インジュン)と同じように。

 さて、結界が破れるのを恐れているのはチン・ムらだけではない。偽のブヨンを演じているソイ(ソ・へウォン)の命も危うくなる。それにホギョンは、チン・ムのおぞましい計画を耳にし、さらにはソイを怪しんでいる状況だ。弱みを握られているのは間違いないが、万長会を招集したのはホギョンの何かしらの目的も含まれているのかもしれない。

 一つ疑問なのが、ウクが還魂人を密室に閉じ込めた場面だ。水の気を使えない状況にもかかわらず、還魂人の密室への誘導を成功させ、大きな傷も負ってないように見えた。もし、ウクが換水の域に達していたら......。ソ先生のように「氷の石」を自由に操り、結界を突破できるだろう。

 次回でシーズン1の最終回を迎える本作。多くの人が気になっているのは、ナクスがムドクの体から出た時に、ムドクの存在はどうなってしまうのかという点だろう。ナクスが大切な人たちを生かす選択をした今、ナクスの魂はブヨンにより分離されることになるだろう。そして本来、「氷の石」を消そうとしていたブヨンは、魂と体が一致した時に「氷の石」を失くすつもりなのかもしれない。けれど「氷の石」によって生まれたブヨンは「氷の石」がなくなれば一緒に消えてしまう可能性もある。ハッピーエンドがなかなか見えてこない最終章に心して臨みたい。

■配信情報
『還魂』
Netflixにて独占配信中
(写真はtvN公式サイトより)

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