『ビッグマウス』舞台は刑務所の外へ イ・ジョンソクのスタイリッシュな姿も
ディズニープラスで配信中のイ・ジョンソク主演作『ビッグマウス』。謎の人物である”本物のビッグマウス”探しの考察が韓国、日本でも注目されている。視聴率も初回6.2%でスタートし、第7話では首都圏11.4%と上昇中(ニールセンコリア調べ)。配信後のTwitterトレンドも常連となっている。
※以下、ネタバレあり。
イ・ジョンソクは『ビッグマウス』の制作発表で、パク・チャンホを演じることについて「生死の分かれ道に立った人物だけに序盤、中盤、後半部ごとに細かく変わる感情を繊細に表現しようとした」と語っていた。(※)その言葉の通り、序盤の弱々しい三流弁護士パク・チャンホが、暗黒世界の帝王ビッグマウスへと変身してゆくさまを繊細に演じ多彩な魅力を魅せてくれている。
第1話から第6話までの物語では、チャンホが何者かが仕掛けた罠にハマり、ビッグマウスに仕立て上げられ覚醒していく様子が描かれた。物語の焦点は、「誰が本物のビッグマウスなのか」だ。第7話、第8話では折り返しに入り、舞台は刑務所から外へ。だが、相変わらずビッグマウスは謎のままだ。人気アニメ『トムとジェリー』に絡めて自己紹介をしたジェリー(クァク・ドンヨン)が怪しい動きを見せるが、黒なのか白なのかはまだわからない。
ビッグマウスを追っている作りなのだが、これまで明かされている謎について一つだけ考察をしたい。それは「時」だ。これまでの第1話から第8話までで「時」がところどころで映っている。物語は“金塊”から始まり、ビッグマウスの事件が流れるニュース映像にチャンホのナレーション、そして結婚記念日を祝う食事会からスタートした。第1話でチャンホの携帯にメールがくるのだが、そこに日付が書いてある。一瞬しか映らない重要な演出だ。
第7話では、新聞社社長コン・ジフン(ヤン・ギョンウォン)の罠により、チャンホがチソン精神科センターに移送される。ここでチャンホの保釈請求の日付が映る。他の回でも毎回サラリとしか映らないが日付が映し出され、時間がどう流れているのか、日付が映る演出の妙に注目してみるとさらに本作を楽しむことができる。