音楽ファンも評価する『怪盗グルーのミニオン大脱走』 投獄されたイルなミニオンズに注目
アニメーション映画『怪盗グルーのミニオン大脱走』が、7月17日にフジテレビ系にて地上波初放送される。
本作は、『SING/シング』を生み出したイルミネーション・エンターテインメントが贈る『怪盗グルー』シリーズの第3作目。7月15日にはシリーズの前日譚にあたる『ミニオンズ フィーバー』も公開された。
主人公のグルーをはじめ、アグネス、イディス、マーゴの3姉妹、2作目でグルーと結婚したルーシー、そして人気キャラクターのミニオンなどお馴染みのキャラクターが登場。さらに、人類を脅かす新たな悪党バルタザール・ブラットやグルーの双子の兄弟ドルーなど新キャラクターも登場する。
ライターの麦倉正樹氏は、本作がヒットした要因の一つが「作り手のバランス感覚」にあると語る。
「小さい子が憧れる“悪”を、絶妙なバランスで描いているのが『怪盗グルー』シリーズの特徴といえます。本作には、ミニオンたちが刑務所に入れられるシーンがありますが、賄賂をもらっていたり、食事中に暴れだしたりと、彼らはかなり“イル”です。ミニオンたちは、よく観るとなかなかの悪事を働いているのですが、常に楽しそうで、何をしても許されてしまう可愛らしさがあります。また、悪役バルタザールの声優として、『サウスパーク』のトレイ・パーカーが出演していますが、『サウスパーク』と比較すると凶悪な描写が抑えられているため、子どもやカップルでも気軽に楽しめる作品になっています」
また、麦倉氏は、『怪盗グルー』シリーズが辿ってきた経緯を以下のように説明する。
「もともとミニオンたちは、2010年に公開された『怪盗グルーの月泥棒 3D』に登場する脇役でした。そこから世界的に注目される糸口になったのが、続く『怪盗グルーのミニオン危機一発』の主題歌としてリリースされた、ファレル・ウィリアムスの『Happy』。この曲は、のちにシングルカットされ、化け物級のヒットソングに成長しました。このヒットにより、ミニオンたちが集団で歌う音楽映画としての地位を確立。2015年公開のスピンオフ映画『ミニオンズ』、そして本作に繋がっていった経緯があります」