『すずめの戸締まり』ヒロインにも抜擢 “圧倒的演技力”の原菜乃華に惹かれる理由
新海誠の3年ぶりの新作『すずめの戸締まり』が11月11日に公開される。新海の作品といえば、注目されるのがヒロインの声を誰が当てるかだ。『君の名は。』では上白石萌音が、『天気の子』では森七菜が抜擢されたこのポジション。上白石は出演以前から第38回日本アカデミー賞新人賞などを受賞し注目を浴びていたが、本作の主題歌などを歌ったカバーミニアルバムでメジャー歌手デビューを果たした。森も、2000人以上が参加したオーディションへの抜擢後、本作に出演したことで出演作がかなり増え、ブレイクした印象がある。このように新海作品のヒロインに選ばれることは、まさにキャリアアップそのものを意味するわけだが、そんななかで新作『すずめの戸締まり』の主演に選ばれたのは、今最も注目される女優の一人、原菜乃華だ。
原といえば、近年の地上波ドラマにおいてその姿を目にすることが増えてきた演技派俳優。直近では『ナンバMG5』(フジテレビ系)で間宮祥太朗演じる主人公の妹・吟子役を演じていたことでも知られ、その前クールでは『真犯人フラグ』(日本テレビ系)で西島秀俊演じる主人公の娘・光莉役として見覚えがある方も多いのではないだろうか。加えて、『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)でKing & Princeの岸優太が演じた深澤新の妹・心美役の印象も強いかもしれない。病弱でありながら、決断力のある芯の通った“強い”キャラクターを体現し、岸との兄妹の愛シーンも視聴者にとってドラマの癒しとして認識され、人気の高い役柄だった。
ドラマに出演するたびに様々な役に挑戦し、その度にその演技力の高さが評価されるが、映画への出演にも注目したい。特に、小栗旬主演の『罪の声』では脅迫事件のテープに声を使用された子供のうちの一人、生島望役を演じ、圧倒的な存在感を残した。特に叫びの演技のうまさが際立ち、その役の壮絶なラストを見事に演じ切った彼女が作品公開当時まだ17歳だったことに驚きを隠せないほどだった。
しかし、確かに今彼女の露出が高まってはいるものの、タレント・女優としてのキャリアはもう10年以上にもなるベテランなのだ。もともと子役として幼少期からドラマに映画、様々な作品に出演してきた彼女は、2010年から2011年まで『ピラメキーノ』(テレビ東京系)に、2016年から2017年の間『おはスタ』(テレビ東京系)におはガールとして活躍していた。何より、初期の映画キャリアでいえばあの『地獄で何が悪い』(2013年)に出てくる『ガガガはみがき』のCMで歌って踊っていた子役、といえばピンとくる人もいるに違いない。