『すずめの戸締まり』ヒロインにも抜擢 “圧倒的演技力”の原菜乃華に惹かれる理由

今、圧倒的演技力で注目を浴びる原菜乃華

 あの頃から雑誌のモデルとしても活躍するなどマルチに活動してきた原。しかし、彼女がまだ未成年であるにもかかわらずその演技力が達観している理由は、これまで挑んできた難役にあるだろう。とりわけ、2016年のドラマ『朝が来る』(東海テレビ・フジテレビ系)で演じた役は、川島海荷演じる片倉ひかりの中学生時代。中学生で彼氏とキス、性行為をし、妊娠してしまうという強烈なキャラクターだ。しかも、それを演じた時の原はまだ12歳。12歳にして壮絶な出産演技を披露するなど、子役時代からすでに規格外なのだ。現在の彼女にみる女優としての貫禄は、そういったこれまでの難役への積み上がりである。

『すずめの戸締まり』ヒロイン決定の舞台裏【11月11日(金)公開】

 そんな彼女が、新海の最新作のヒロインに選ばれた。オーディションは1700人以上が参加したものの、新海監督は早い段階で彼女に決めていたことをヒロイン決定の瞬間を捉えた舞台裏映像にて明かしている。

 「すずめ、というキャラクターを大きく広げてくれそうなものを原さんだったらやってもらえるなと確信した」と言う新海の言葉に、大きな目を見開いて驚く原。嬉しさのあまりに涙を流す姿からは、やはり18歳らしい初々しさも感じられる。これだけ実力とともにキャリアを築いてきたにもかかわらず、そういったピュアネスを持ち続けている点も彼女に惹かれる理由かもしれない。

『すずめの戸締まり』予告【11月11日(金)公開】

 7月15日に公開された予告編では、ついにすずめのお披露目といったように原の演じる彼女の様々な表情を窺い知ることができる。そして、予告の最後に「迷い込んだその先には、ぜんぶの時間が溶け合ったような、空があった」という原のセリフが。聞いたことがあるはずの声なのに、初めて聞くような新鮮さに、映画への期待が高まる。彼女がこれまでのヒロイン同様、いやそれ以上に本作をきっかけに羽ばたいていくかもしれない。

■公開情報
『すずめの戸締まり』
11月11日(金)全国公開
原作・脚本・監督:新海誠
キャラクターデザイン:田中将賀
作画監督:土屋堅一
美術監督:丹治匠
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
制作プロデュース:STORY inc.
配給:東宝
(c)2022「すずめの戸締まり」製作委員会

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