『リコリス・リコイル』本格的なガンアクションが痛快! バディものとして新たな境地へ

本格的ガンアクション『リコリス・リコイル』

 血生臭いシーンばかりが魅力ではない。キャラクターデザインが可愛らしく、喫茶店が物語の中心になっており、『ご注文はうさぎですか?』のようなゆるふわさも素敵だ。たきながリコリコを初めて訪れた際、天真爛漫な千束はたきなが転属したことを大いに喜び、ハイテンションな言動を見せる。一方、冷静沈着なたきなは多少ペースを乱されるも落ち着いて対応。正反対な性格をしている2人の掛け合いは微笑ましく、凄惨な銃殺シーンの数々を忘れ去るくらい癒される。

 また、日常会話だけではなく、銃撃戦でも2人の個性は絶妙に絡み合う。たきなは一見クールに見えるが、人質がいてもなりふり構わず銃を連射するあたり、とても無鉄砲な性格をしている。はたまた、千束は明るい性格をしているから雑な戦い方をするかと思いきや、状況をよく把握しながら冷静に立ち回る。バディものの刑事ドラマの場合、明るいキャラは雑な戦い方、クールなキャラは一歩引いた戦い方というイメージがあるが、日常シーンと戦闘シーンでは性格が逆転しているように感じた。シチュエーションごとの性格の機微に注目するのも面白そうである。

『リコリス・リコイル』

 そしてなにより、本作に期待したくなる要因として、足立慎吾氏が監督を担っていることも大きい。足立氏は『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』で動画制作、『ソードアートオンライン』では総作画監督を担うなど、日本のアニメに長年貢献してきた重鎮と言える。本作はそんな足立氏の初監督作になるため、アニメファンであれば熱視線を送りたくなる。

■放送情報
『リコリス・リコイル』
TOKYO MXほかにて放送中
キャスト:安済知佳、若山詩音、小清水亜美、久野美咲、さかき孝輔
原作:Spider Lily
監督:足立慎吾
ストーリー原案:アサウラ
キャラクターデザイン:いみぎむる
副監督:丸山裕介
サブキャラクターデザイン:山本由美子
総作画監督:山本由美子、鈴木豪、竹内由香里、晶貴孝二
メインアニメーター:沢田犬二
プロップデザイン:朱原デーナ
美術監督:岡本穂高、池田真依子
美術設定:六七質
色彩設計:佐々木梓
CGディレクター:森岡俊宇
撮影監督:青嶋俊明
編集:須藤瞳
音響監督:吉田光平
音楽:睦月周平
制作:A-1 Pictures
(c)Spider Lily/アニプレックス・ABC アニメーション・BS11
公式サイト:https://lycoris-recoil.com/
公式Twitter:@lycoris_recoil

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