『ちむどんどん』川口春奈、『スカーレット』戸田恵梨香 朝ドラの“姉”は苦労する運命?

『ちむどんどん』朝ドラの“姉”は苦労する?

 “ジェンダーバイアス”を意識させるような台詞が随所に散りばめられた朝ドラ『ちむどんどん』(NHK総合)。やんばるでは、良子(川口春奈)が教員への復職を希望するものの、夫・博夫(山田裕貴)と意見が対立し問題を抱えているようだ。

 これまでも家族や兄妹のことばかり優先してきた家族想いの良子が、ようやく自身の意志で選び取れたのが結婚相手だった。しかし、結婚後は幾度となく離婚危機に見舞われている。博夫の那覇にある実家はいかんせん封建的で、「本家長男の嫁が外に働きに出るなんて論外」と良子の職場復帰を一切許してくれないどころか、そもそも聞く耳すら持ってくれない。挙句、那覇の本家での同居まで勧められる始末だ。

 これまでを振り返ってみても、朝ドラに登場する姉というものには何かと苦労が付きまとう。

 『スカーレット』(NHK総合)では、ヒロイン・喜美子(戸田恵梨香)自身が“姉”という立場で、家族のためにとあれこれ我慢する役どころを担っていた。中学校卒業後に、家計のために進学を諦め、大阪の「荒木荘」で女中を始める喜美子。そんな中ようやくやりたいことが見つかり、内職でコツコツ貯めたお金で美術学校に進学しようとした矢先、北村一輝演じる父親の酒浸りのせいで窮状に陥った実家にまたしても戻ることになってしまうのだ。そこに待ち受けていたのが、父親と反りが合わず荒れ狂った妹・直子(桜庭ななみ)だった。

 父親と顔を合わせばいがみ合い、喜美子に八つ当たりばかりしてしまう。常に感情を剥き出しにし自由奔放な妹の姿の傍らで、日頃は自身の感情を抑え気味の喜美子が対比的に印象づけられていた。そんな彼女が、家庭のために「絵付け師」への憧れを我慢し封印してきたことを涙ながらに家族の前で訴えるシーンは、より胸を打つものになっていた。

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