鈴木伸之のターンが来た! 女性観アップデートがすごかった『悪女(わる)』の小野忠

『悪女(わる)』MVPは小野忠役の鈴木伸之

 そんなイメージがあるだけに、今回の小野もまた女性の敵のような役柄かと思われた。スピンオフの『悪男(わる)~恋する男がカッコ悪いなんて誰が言った?~』(TVerオリジナルドラマ)でも、小野は昭和的でデリカシーに欠ける男としてギャグのように描かれている。しかし、本編第4話で改心して以降は、麻里鈴にとってあこがれのT・Oさん(向井理)の情報を集めてくれたり、「困った時の小野忠」だと言って麻里鈴のピンチにたびたび駆けつけてくれたりするなど、理想的な男性に大変身。前半とのギャップがあるだけに小野の株はぐんぐんと上がっていった。また、麻里鈴に思いを寄せながらも、同じ思いを抱える新入社員の山瀬(高橋文哉)を応援し、自分は告白できないでいる不器用な姿は“不憫萌え”を呼び起こした。鈴木が麻里鈴に向ける優しげな視線や、心の揺れを表現する繊細な表情も光った。

悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~

 鈴木は近年、『ラジエーションハウス ~放射線科の診断レポート~』シリーズ(フジテレビ系)や『恋です! ~ヤンキー君と白杖ガール~』(日本テレビ系)で片思いする当て馬ポジションを演じ、映画『東京リベンジャーズ』、『お茶にごす。』(テレビ東京系)などではアラサーにしてまだまだ現役でヤンキー高校生を演じている。そんな中、『悪女(わる)』の小野忠は等身大の会社員で、ヒロインの本命にもなりうる、これまでにない“もうけ役”だっただけに、今後のキャリアに良い変化をもたらしそうだ。

■配信情報
『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』
Hulu、TVerにて配信中
出演:今田美桜、江口のりこ、鈴木伸之、高橋文哉、向井理
原作:深見じゅん『悪女(わる)』(講談社『BE・LOVE』)
脚本:後藤法子、松島瑠璃子
演出:南雲聖一、内田秀実、山田信義
プロデューサー:諸田景子、小田玲奈、大塚英治、平井十和子
チーフプロデューサー:田中宏史
主題歌:J-JUN with XIA(JUNSU)「六等星」(First JB music)
制作協力:ケイファクトリー
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/waru2022/

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