King & Prince 神宮寺勇太が働く人に“気づき”を与える 『受付のジョー』は新しい働きドラマ
本作は、受付嬢と城の物語のほかに、もう1つの軸があった。それは、彼が想いを寄せる同僚・春口光咲(松井愛莉)が抱えた問題。ある日、彼女は休職してしまう。その原因となったのは西。彼は、明るく優しい先輩ではあるが、上述したように無神経な一面も多々ある。たとえば、春口が大きな案件を成功させたとき、彼女を担当に指名した西は「よく頑張ったな。お前のおかげだ」と労いつつも「やっぱり可愛い女の子を担当にして正解!」と声をかけた。その言葉を聞いた春口は顔面蒼白。一生懸命仕事をし、その結果、成功したと思っていたが、自分はクライアントの機嫌をとるために担当を任されただけ……。そうした配慮のない言動もあって、彼女は休職に追い込まれる。後日、適応障害と診断された。
城の支えもあって春口は別の部署で復帰することに。その後、自分のせいで彼女が会社を休んだと知った西はショックを受け、城に「そんなつもりはなかった」とこぼした。受付チームとして働く中で成長した城は、彼にこう言葉をかけた。
「西先輩が何をしたかというより、春口さんがどう感じたか、じゃないかと思うんです」
「西先輩は……いや僕もなんですけど、人の気持ちが見えてなかったというより、自分の見たいようにしか見ていなかったってことだと思うんですよ」
この城の言葉にハッとした人もいるのではないだろうか。彼もあのまま営業部にいれば、西と同じ状況に陥っていたかもしれない。受付にいたことで感じた“気づき”があったから今の彼があるのだ。
大半のビジネスパーソンは、人と接して仕事をしている。お互い気持ちよく働くためには、自分の言葉で相手が傷ついていないか、よく考える必要がある。本作は、そんな自分の仕事ぶりを今一度振り返る“きっかけ”を与えてくれる作品となっているのだ。現に、ドラマ放送終了後は、SNSで『受付のジョー』に関連するキーワードがトレンドにランクイン。今をときめく神宮寺が主役なので、当たり前のことなのだが、それだけでなく、女性軽視、モラハラ、職業差別といった現代社会が抱える問題と向き合っていることを賞賛する書き込みが多くある。
『受付のジョー』は、毎週月曜深夜24時59分から放送されている『シンドラ』枠の作品。こちらは、ジャニーズ事務所に所属するアイドルが主演を務める放送枠だが、恋愛要素やファンにはたまらない可愛らしいシーンがありながらも、ここまで社会問題に一石を投じた作品は珍しい。
24歳の神宮寺と同年代はもちろん、30代、40代、50代……と誰にだって刺さるであろう本作。新しい“働きドラマ”として歴史に名を刻んだことは間違いない。
■放送・配信情報
『受付のジョー』
日本テレビにて、毎週月曜深夜24:59〜放送
Hulu、TVerでも配信
出演:神宮寺勇太(King & Prince)、田辺桃子、美山加恋、松井愛莉、冨手麻妙、六角慎司、西原亜希、田村健太郎、トリンドル玲奈、橋本じゅん
脚本:いとう菜のは
演出:中茎強、保母海里風、伊野部陽平
音楽:宗形勇輝
主題歌:「踊るように人生を。」King & Prince(Johnnys’ Universe)
編成企画:安島隆、鈴木淳一
コンテンツプロデューサー:藤澤季世子
企画:木野崎菖
チーフプロデューサー:三上絵里子
プロデューサー:榊原真由子、伊藤美緒、柴田裕基
制作プロダクション:AX-ON
製作著作:日本テレビ、ジェイ・ストーム
(c)NTV・J Storm
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