『ちむどんどん』の“いい人”役がハマる 二宮和也も絶賛する細田善彦の類まれなる演技力

細田善彦の演技力と“怪しい”雰囲気

 ドラマや映画を観ていると、“この人いろんな作品に出ているな”と思う俳優がいるものだ。ラブストーリー、ミステリー、社会派ドラマ、どんな作品にも名を連ねており、その類まれなる演技力で、物語に説得力を与える名バイプレイヤーである。

 『ちむどんどん』(NHK総合)で、比嘉歌子(上白石萌歌)の働く運送会社の同僚・花城真一を演じる細田善彦もまた、作品にいてほしい俳優の1人ではないだろうか。会社で鼻歌を歌う歌子に優しく声をかけ、仕事を休みがちな彼女に、雑誌を持ってお見舞いにくる花城。誰もが歌子のパートナーになることを期待していたが、第47話ではまさかの結婚報告が……。あまりにも“いい人”がはまっていただけに、このまま『ちむどんどん』から退場する形になるとそれは非常に残念だ。

 現在、細田は34歳。特に彼と同年代、または往年のドラマファンからすれば、目を覆いたくなるいじめシーンが話題となった、北乃きい主演のドラマ『ライフ~壮絶なイジメと闘う少女の物語~』(2007年/フジテレビ系)の佐古克己役が印象に残っているという人も多いことだろう。佐古は、学年トップの成績をとる優秀な生徒でありながら、狂気じみた一面を持つ。女子高生らを監禁・緊縛して写真を撮るといった常軌を逸した行為や、北乃演じる椎葉歩を襲う残酷なシーンでみせた怪演は、いまだに語り継がれている。これが、当時19歳というのだから驚きだ。

 細田は25歳のときに俳優活動を休止し、やってみたかった、という海外暮らしを経験している。当時、日本と海外を往復しながら心身ともにリフレッシュ。1年後、再び俳優業に復帰した。

 その後の活躍は目覚ましいものがあり、数多くの作品に出演。『真田丸』(2016年/NHK総合)、『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年/TBS系)、『35歳の少女』(2020年/日本テレビ系)、『青天を衝け』(2021年/NHK総合)……本当に挙げればキリがない。現在放送中の『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』(TBS系)では、沢田林太郎(松重豊)の若かりし頃を演じたことでも話題になったばかりだ。こうして、レギュラー・ゲストにかかわらず、どんな現場でも期待以上のものを表現してみせるから、ここまで多くの作品に呼ばれているのだろう。

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