【ネタバレあり】『インビジブル』リーパーの正体は“正義の権化” 志村になぜ執着するのか

『インビジブル』リーパーの正体は正義の権化

 自分のことは出禁にした元祖インビジブルが唯一認めていた刑事が志村で一目置く存在だったというのは、猿渡にとっては面白くはない事実だっただろう。そして猿渡は志村のことを「大切なおもちゃ」だと話していたようだが、内なる狂気を秘め「ルールの通用しない奴には手段を選ばない」と言いながらも、一線は超えずに踏みとどまるのが志村だ。

 それが一線を優に超えてしまっている猿渡からすれば興味深くもあり、歯痒くもあり、その狭間でジタバタもがく様は正に血の通った“人間臭さ”そのもので、自身に完全に欠如しているものを突きつけられるかのようなのだろう。しかも、猿渡はあたかも“ルール遵守”のような顔をしながら裏でとんでもない悪事を働くサイコパス。そんな猿渡からすれば志村は滑稽である一方、唯一思い通りに動かない予測不能な危険因子でもあるだろう。キリヒトと猿渡の共通点は承認欲求、そして人をひれ伏させたい支配欲・衝動の強さだろう。安野の妹・東子(大野いと)もキリヒトのことを“寂しそうな人”だと言った。

 リーパーについてキリコに「良い奴だよ、近々紹介する」と意気揚々と話していたキリヒトだが、次週そんなリーパーがキリコに銃口を向けるのを見てどう思うのだろうか。そもそもリーパーの方が随分上手な気がするが、その矛先が自分に向けられ彼に裏切られるという最悪のシナリオは考えていなかったのだろうか。

 まさに“ルールの通用しない奴”であるリーパーこと猿渡を前に、最終話、志村は何を持ってして太刀打ちしようとするのか。またどうして猿渡は志村に異様な執着を見せるのか、この目で確かめたい。

■放送情報
金曜ドラマ『インビジブル』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:高橋一生、柴咲コウ、有岡大貴(Hey! Say! JUMP)、堀田茜、谷恭輔、大野いと、板垣李光人、西村元貴、結城モエ、田中真琴、村井良大、酒向芳、原田泰造、桐谷健太
脚本:いずみ吉紘、槌谷健
演出:竹村謙太郎、棚澤孝義
プロデューサー:佐藤敦司、浅野敦也
主題歌:「Tiny World」Dragon Ash(Victor/MOB SQUAD)
音楽:得田真裕
編成:東仲恵吾、佐藤美紀
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/invisible_tbs/
公式Twitter:@invisible_tbs

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