津田健次郎、柴犬の「ワンワン」にセリフを提案　人間じゃない役に「もう何でも来いです」

津田健次郎が明かす、自身の二面性

――主演の間宮祥太朗さん演じる剛は、普通の青春を送りたいと思っている高校生ですが、津田さんご自身が高校生の時は、どういうふうになりたい／何になりたいと考えていましたか？

津田：何者でもない自分みたいなものにすごくイライラしていて、割と鬱屈していました。そんなに突飛な行動をしたり、グレたりとかは全然なくて割とうまくやっていたんですけど。結構ぽっかりと心に穴が開いているような、そんな青春時代を送っておりまして。そこで中学生くらいの頃に、特に映画などの“表現”に出会って、「なんだこのすごい世界」ということを感じました。「こういう世界で生きていきたいな」と、ほんのりと、でも、強く思い始めた頃ですね。

――ちなみに、印象的だった作品や、感銘を受けた作品は？

津田：中学生くらいの頃は、まだミニシアターというものがそんなになくて、名画座に通っていました。『ローマの休日』とか、チャップリンの映画を観ていましたね。その頃は、過去作品を結構漁っていました。そしてある時期からミニシアターの、ジム・ジャームッシュ監督とか、エミール・クストリッツァ監督とかが熱い感じで。フェデリコ・フェリーニの『8 1/2』とかにすごく影響を受けていると思います。

――本作は、剛が“脱ヤンキー”をするというコンセプトですが、津田さんご自身は何から“脱〇〇”したいですか？

津田：計画性が全くないんですよ。計画性を持って動けないので、なんかすごく困ることが多くて……「脱・無計画」です！

――具体的に、無計画で失敗しちゃったエピソードは？

津田：忘れ物がすごく多いです。朝家を出て、「あれ忘れた！」で、取りに帰って、それでまた家を出て、「あれも忘れた！」って3往復することがあったりするんですよ。3回目になると、本当に嫌になるんですよね。「なんでちゃんとカバンに入れておかなかったんだ」とか。

――そういうことありますよね。主人公の難波剛は二面性を持っていますが、津田さんご自身が自分に二面性があるな、と思うところがありましたらお聞かせください。

津田：一番簡単にいうと、すごく淡々としていたり、かっこいい言葉になっちゃいますけど、クールだったり、乾いている部分が結構あります。でも、意外とウェットな部分もあったり、意外と「俺は熱いな」みたいな部分があったり、自分でも戸惑う事はありますね。

――なるほど。本作はそんな二面性を持つ主人公が自己を解放していく物語ですが、津田さんが今解放したいと思うところはありますか？

津田：芝居に限らず、表現というもの。自分の中での既成概念みたいな、今までやってきたこと、もしくは自分の持っている「お芝居はきっとこうだよね」「表現はこういうことだよね」というイメージ、そういうものの枠をもっと実は取り外して良いのではないかということを、とても今強く感じますね。自分自身で自分の表現を不自由にしている部分は結構あるな、と。そこから解放されていくといいなと強く思いますね。

――今おっしゃった通り“表現者”として、声優に限らず俳優としてテレビドラマや舞台で活躍し、監督としての一面も持っていますよね。それぞれ、どのようにモードチェンジするかなど意識されてるところはありますか？

津田：あまりモードチェンジしようとは思っていないんです。例えば、アニメと実写も、そんなに変えたくないなという思いがあります。だから、あえて意識しないように、同じようにアプローチをしていますね。もちろん、最終的な出口というか、形が違うので、そこの方法論みたいなものはやはり踏襲しなきゃいけないと思いますが。ただ、その中に流れるものとか、表現のスタイルと言いますか、そういうものはあまりモードチェンジせずにできたらいいなと思っています。あとは、本当に現場ごとに全然違うので、それによって自然とモードチェンジはできている気もするんですよね。アニメーションの現場にしても、作品ごとに全然求めていただくものが違ったり、リクエストが違ったりするので。なので、常に根底に流れるもの、作品ごとにその役の大事なものをしっかり捕まえて、その現場ごとに作品により添えるような表現ができれば良いと思っています。

――そんな中で、改めて今後垣根を設けず、1人の人間として挑戦したいこと、作りたい作品や、参加したい作品など、展望をお聞かせください。

津田：幸いなことに、本当にありがたいことに現在色々なことをやらせていただいています。やはりずっと一番長くやらせていただいている声優の仕事というのは当然これからもやっていきたいですし、実写の仕事も、こっちはこっちでどんどん（活躍の場を）広げていきたいです。映画は映画で撮れるなら撮っていきたいですね。出演に関してもさらに深めて広げて、様々な作品に出られたらいいなと思っています。あとは、国境を越えていけると楽しいだろうなと思うので、そういった作品に携われたらな、と。それは実写の出演としても、アニメーションへの参加としても、制作側としても、色々できたらいいなと思っています。

■放送情報
『ナンバMG5』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00～22:54放送
出演：間宮祥太朗、神尾楓珠、森川葵、森本慎太郎（SixTONES）、富田望生、原菜乃華、加藤諒、米本学仁、満島真之介、鈴木紗理奈、宇梶剛士、（松の声）津田健次郎
原作：『ナンバMG5』『ナンバデッドエンド』小沢としお（秋田書店『少年チャンピオン・コミックス』刊）
脚本：金沢達也
演出：本広克行
プロデュース：栗原彩乃
編成企画：上原寿一
制作・著作：フジテレビ第一制作部
(c)フジテレビ
公式サイト：https://www.fujitv.co.jp/nanbaMG5/
公式Twitter：@nanbaMG5_
公式Instagram：@nanbamg5_

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