『ナンバMG5』妹を守る姿は“これぞ間宮祥太朗” 剛の二重生活はついに終了か?

『ナンバMG5』吟子を守る剛の姿に感動

 筋金入りのヤンキー一家に生まれた難破剛(間宮祥太朗)が家族に内緒で真面目な高校生活を送る物語『ナンバMG5』(フジテレビ系)。ヤンキーとして関東を制圧しつつ、白百合高校では無事高校3年生に進級した剛は、美術部部長と生徒会長を務めるという絵に描いたような、真面目で優秀な生徒のポジションに上り詰めていた。

 しかし、順調に思われた剛に最大のピンチが降りかかる。それは、剛が通う白百合高校に妹・吟子(原菜乃華)が入学してきたことだ。これまで地元屈指のヤンキー高校・市松高校のアタマをやっていると家族に説明していた剛にとって、吟子の入学は正体バレ待ったなし、絶体絶命のシチュエーションだった。

 最初のピンチは、全校集会でのこと。「生徒会長・難破剛」の名前を聞いて、あたりをキョロキョロする吟子を見た剛は吹っ切ったようにハイテンションにあいさつ。なんとかことなきを得た。

 ただ、この時の出来事も虚しく、吟子は剛が白百合高校の生徒会長だという事実と向き合うことになる。それは、金髪メッシュ入り、スカート丈の短い吟子が、生徒指導室に呼ばれた時のこと。事情を知らない教師が剛を呼び出し「お前からも妹を指導してやってほしい」と伝えたのだ。

 この時の剛の表情は、白百合高校生徒会長ではなくヤンキー剛が見せる真剣なもの。吟子に正体がバレることを覚悟したような、力の入った目付きとキリッとさせた眉がたまらなかった。しかも、ここで兄であることを否定しなかったのが、また良い。正直なところ、兄じゃないとシラを切ることもできただろう。しかし剛は「すみませんでした」「言って聞かせます」と謝罪したのだ。

 そんな剛の真っ直ぐさに好感を持つ視聴者とは裏腹に、吟子はショックを受ける。それもそのはず、吟子にとってかっこよくて自慢だった兄が、“シャバい”格好で美術部所属の生徒会長をしているなんて簡単に受け入れられるはずがない。

『ナンバMG5』7話

 それゆえ吟子は剛に向かって「来るな!」と叫び、涙を流しながら振り返って「誰だよ、お前。どこの誰なんだ」と睨みつける。秒数にして10秒もない、このシーンでの吟子を演じる原菜乃華の表情の作り方は、失望と怒りと悲しみがリアルに混在されていた。『真犯人フラグ』(日本テレビ系)で注目を集め、今期は『ナンバMG5』と『村井の恋』(TBS系)の2作品に出る原の演技力の高さを、再確認した瞬間だった。

 この日をきっかけに、不穏な空気が漂ってしまう剛と吟子。しかし、生徒会長に立候補した際のスピーチで「僕は、この白百合高校での毎日が本当に楽しくて。明日、この生活が終わっても後悔しないように毎日を過ごしたいと思っていて」と話した剛は、必要以上に吟子に歩み寄らず、自分の思い通りの高校生活を続けた。

 妹思いな剛のことだから、吟子に謝罪するという選択肢もあったことだろう。しかし、あえてそうしなかったのは、今話の最後で白百合高校に入学した理由を「自分のために」と説明した剛の言葉に通ずるような気がした。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる