玉木宏が明かす、“年相応”の俳優の楽しさ 『マイファミリー』俳優陣の上手さは刺激に
助演をすることで“攻めの芝居”を勉強できる
――ドラマは第9話を迎え、いよいよ大詰めです。
玉木:このドラマには番宣などで謳われていた“ノンストップファミリーエンターテインメント”というキャッチコピーがあるんですけど、当初は頭の中で「?(クエッション)」だらけだったんです(笑)。でも、ゴールが見えてきた段階で、ようやくその意味がわかった気がしています。悪いことではあるけれど、誘拐という事件をきっかけに家族がまた絆を深めて、いい形に変わっていく。観ていて心にジーンとくるものがあるし、それにプラスしてやっぱり脚本の面白さがすごく出ているドラマだと思っています。複雑ではあるので、頭を使わなければ入ってこないし、演じる上でも理解していなければ外に出ていかない。そういう難しさはあるんですけど、その難しさに臨める作品として、すごくやりがいがあります。
――刺激になることも多いですか?
玉木:やっぱり脚本が面白ければ、現場は盛り上がるものだと純粋に思っていて。単純明快な面白さがあるドラマも当然ありますけど、このドラマはそうではなくて、みんながじっくりと台本を読み込んで形を作っていく。それぞれの部署にちゃんと責任が課せられたている作品のような気がします。僕は二宮くんたちと比べたら少し上になりますけど、ほぼ同年代の仲間で作品を作れるというのも、すごく刺激になります。また最近は主演という立場でやらせていただくことも多かったので、そうではないポジションから現場を見るということも新鮮でしたし、みなさんのお芝居の上手さも刺激になりました。
――数々の作品で主演を経験される中で、あらためて助演の面白さを体感されていると。
玉木:基本的に、主人公は“受けの芝居”が多くなってしまうんです。なので、助演をすることで“攻めの芝居”をもう1回勉強できるというか。主人公にどんどん影響やダメージを与えていくのが助演の役目だと思うので、その難しさと楽しさを非常に感じています。
――年齢を重ねて、玉木さんのイメージは“爽やかなイケメン俳優”から、刑事役がハマる“渋みのある俳優”へと変化したように思いますが、それは玉木さんにとって自然な流れだったのでしょうか? それとも、ご自身の中に見せ方を変えていきたいという思いがあったのでしょうか?
玉木:『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)のような“文化系”のパブリックイメージが強かったと思うんですが、僕自身そういうタイプではないので、正直ちょっと無理をしている感覚はあったように思います。そこから、年齢を重ねると同時に社会派の作品に携わる機会が増えてきて、少しずつイメージも変わっていったように思います。とはいえ、今の姿が本来の自分なのかどうかも、よくわかっていないんですけど(笑)。いつも思うのは、「年相応でいい」ということ。その良さが必ず出てくるのが、俳優の楽しさでもあると思うんです。年齢を重ねるほど、演じる役の難易度は上がっている気がしていますが、難しいからこそ楽しいなと思うし、今、いろいろな役をいただけることがすごく刺激になっています。
■放送情報
日曜劇場『マイファミリー』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:二宮和也、多部未華子、賀来賢人、高橋メアリージュン、大友康平、神野三鈴、迫田孝也、那須雄登(美 少年/ジャニーズJr.)、山田キヌヲ、 渡辺邦斗、藤間爽子、大島美優、凛美、山崎莉里那、松本幸四郎、富澤たけし(サンドウィッチマン)、蓮佛美沙子、森脇英理子、珠城りょう、濱田岳、玉木宏
脚本:黒岩勉
演出:平野俊一
プロデューサー:飯田和孝、渡辺良介(大映テレビ)
スーパーバイジングプロデューサー:那須田淳
協力プロデューサー:大形美佑葵
製作著作:TBS
(c)TBS