『バズ・ライトイヤー』監督らが制作秘話明かす ピクサーが大切にした“バズらしさ”とは
7月1日に公開される映画『バズ・ライトイヤー』の制作秘話が、監督を務めたアンガス・マクレーンらによって明かされた。
本作は、『トイ・ストーリー』のバズ・ライトイヤーのオリジンストーリーで、世界で最も有名なスペース・レンジャーの誕生の秘密を描く物語。1995年の映画『トイ・ストーリー』で、アンディが夢中になった流行のテレビアニメ『バズ・ライトイヤー』の主人公をモチーフにしたおもちゃとして登場したバズ。バズ自身も当初自分はおもちゃではなく、本物のスペース・レンジャーと信じこんでいたが……。“もしもアンディが夢中になったバズ・ライトイヤーの物語の世界が実在したら?”という世界観を舞台に繰り広げられる。
本作でメガホンを取ったマクレーン監督ら制作陣は、性格・声・CG・デザインというあらゆるポイントにおいて、“おもちゃ”のバズらしさを大切にしつつ、新しい要素も加えながら本作の“スペース・レンジャー”バズを描いたことを明かした。
“おもちゃ”バズの原点となる“スペース・レンジャー”を描くにあたって、マクレーン監督は「“おもちゃ”のバズは、自分のことを本物のスペース・レンジャーだと思うほど、真面目で真っ直ぐな性格なんだ。何事に対しても真剣で、そこから生まれるユーモアもあるよね。本作でも彼を、そんな真面目で真っ直ぐすぎるキャラクターとして描きたかったんだよ」と大切にした“バズらしい”性格を解説する。
『トイ・ストーリー』でアンディの誕生日プレゼントとして登場した“おもちゃ”のバズはあるとき、自分がおもちゃであることを知り自暴自棄になるも、仲間の優しさに触れた事でウッディたちと協力するようになり、常に諦めることなくピンチに立ち向かう。『トイ・ストーリー3』では敵のクマのぬいぐるみ・ロッツォを危機から救うなど、シリーズを通してバズの真っ直ぐさは、多くの感動を生み出してきたが、本作で描かれるのは、責任感は強いけれど、他人に頼るのが苦手な“スペース・レンジャー”。自分の力を過信したために1200人の乗組員と危険な惑星に着陸してしまう。真っ直ぐな彼は、全員を帰還させるべく、危険なハイパー航行へ挑むも、“62年と7か月と5日”が経った世界に不時着。親友すらいない、62年後の世界で新たに出会う仲間との冒険を経て、“仲間に頼ることの大切さ”にも気付いていくこととなる。
マクレーン監督は、バズの声にもこだわりが。本作でバズの声優を務める、『アベンジャーズ』シリーズのキャプテン・アメリカ役などで知られるクリス・エヴァンスの起用について、「彼の演技には、“バズ・ライトイヤー”というキャラクターにピッタリな、真面目さとユーモアセンスがある。加えて、言葉では説明できない“映画スター”らしさがクリスにはあるんだけど、それもこの堂々とした“バズ”というキャラクターに必須なものだったんだ」と、“バズらしさ”を表現するための声を追求したことを明かす。
CG面では、そんな人間味あふれる“バズらしさ”をより身近に感じられるような試みも採用。マクレーン監督は、「これまでのバズのビジュアルを守りつつ、進化した映像技術も採用した。より“映画”らしく感じられるようにしたかったからね。コントラストを際立たせるグラフィックを駆使したり、レンズや照明テクニック、影や雰囲気にもこだわって、過去の映画とはまた一味違う、シネマティックな雰囲気を生み出したんだ。CGは冷たい印象になってしまう可能性も秘めているけど、そうならないようにしたよ」と解説。
そしてその“バズらしさ”の追求は、デザインでも表現された。プロダクション・デザイナーのティム・エヴァットは、「デザインの中に、あの“おもちゃ”の構成要素をしっかり組み込むように注力したんだ。それと同時に、今回のバズのスーツには“スペース・レンジャー”らしく、宇宙的なリアリティも持たせるようにしたよ」と“バズらしさ”と、本作らしい要素を同居させたことも明かした。
■公開情報
『バズ・ライトイヤー』
7月1日(金)全国ロードショー
監督:アンガス・マクレーン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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