『ストレンジャー・シングス』シーズン1~3で思い出しておきたいこと 新章を観る前に
ついに3年ぶりに『ストレンジャー・シングス 未知の世界』が帰ってくる! 待望のシーズン4は2部構成となっており、Vol.1なる前半は5月27日から配信開始だ。元々は1話あたり60分未満で展開されてきたのに対し、シーズン4は第1話から既に75分、さらにNetflixの発表によれば2部で配信される第8話も85分、最終話となる第9話に関してはほぼ150分(2時間半)と長尺なのが特徴的だ。
そんな長旅に乗り出す前に、前シーズンもコロナ前の配信ということで細かい設定やキャラクター、展開について忘れてしまった人も少なくないはず。そこで改めて、シーズン1〜3での重要ポイントを振り返っておきたい。
シーズン1:イレブンと人体実験、<裏側の世界>の関わり
シーズン1は、1983年11月6日の出来事から始まった。インディアナ州ホーキンス国立研究所で恐ろしい何かに研究員が襲われる一方、12歳の少年たち、マイク(フィン・ヴォルフハルト)、ダスティン(ゲイテン・マタラッツォ)、ルーカス(ケイレブ・マクラフリン)、そしてウィル(ノア・シュナップ)は「ダンジョンズ&ドラゴンズ」をして遊んでいた。しかし、その帰り道に何か恐ろしい存在と出くわしたウィルは家に帰るも、それに襲われて姿を消す。そうして始まった彼の捜索中、少年たちが出会うのが研究所から逃げ出してきた謎の少女・エル(ミリー・ボビー・ブラウン)だった。
彼女には超能力が備わっており、念動力で何かを動かしたり、異世界のビジョンを見たりすることができる。その世界というのが通称<裏側の世界>だ。そしてこの世界からやってきてナンシー(ナタリア・ダイアー)の友人バーブことバーバラ(シャノン・パーサー)の失踪にも関与しているのが怪物デモゴルゴン。ボーイズが遊んでいた『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に登場するモンスターに因んで名付けられた。
母親であるジョイス(ウィノナ・ライダー)や、彼女の同級生ホーキンス警察署の署長であるホッパー(デヴィッド・ハーバー)、兄のジョナサン(チャーリー・ヒートン)らがウィルの行方を追う中で、偽の遺体が湖から発見された。その間、ジョイスは電話や家のライトなどで<裏側の世界>にいるウィルと通信する。ホッパーも遺体が綿の詰まった人形だったことを知ると、この失踪時間の背後に何か陰謀があることに気づいていった。
その陰謀に大きく関わっていたのが、マイクたちが出会い、その後仲良くなった謎の少女・エル。彼女はホーキンス研究所で人体実験を受けていたのだ。その実情が冷戦時代、政府が実際に行っていた、「MKウルトラ計画」だったことが明かされる。かつてこの実験の被験者となったテリー・アイブスという女性にジョイスとホッパーがたどり着くのだが、彼女は自分の妊娠に気づかずに「精神の境界を広げる」ことを目的とした実験に参加していた。LSDなどの薬を投与され、その後娘・ジェーンを出産していた。そのジェーンこそ、エルだったのだ。しかし、超能力を持つ彼女を、共産国と戦う武器とみなした政府がエルを拉致。パパことブレンナー博士(マシュー・モディーン)によって、新たに人体実験を受けるのであった。
シーズン4のティザー予告の一つ「イレブン、聞こえているか?」にはかつて施設にいたエルと同じように実験を受けていた少年少女の様子が映されている。この映像からも、最新シーズンでは再び被験体としての彼女のエピソードが深掘りされることが考えられる。
そしてその後のシーズンでもおおきなトピックとなるのが<裏側の世界>とこの世界を繋ぐ「ゲート」。これは実験中、エルが精神世界でデモゴルゴンと出会ってしまった時、自己的に世界間に亀裂を生じさせてしまい、生み出してしまったものだ。これを閉めようと奮闘するのが、シーズン2のストーリーとなる。一方、<裏側の世界>に囚われていたウィルはエルのおかげで居場所を突き止められ、ホッパーの手で救出された。
ウィル捜索過程で、マイクの姉ナンシー(ナタリア・ダイアー)がジョナサンと仲良くなり、彼女の彼氏スティーブ・ハリントン(ジョー・キーリー)と三角関係になるも、最後は共闘する。そして、ブレンナー博士はというと、遭遇したデモゴルゴンによって殺され、エルはデモゴルゴンを倒すためにパワーを使って消えてしまった。最終話では日常を取り戻したはずのウィルがまだ<裏側の世界>のビジョンを見たり、体内に何か怪しい生物がいたり、と不穏さを残してシーズン1の幕を閉じる。
シーズン2:マインドフレイヤー出現とゲートの閉鎖
シーズン2の舞台は、シーズン1の1年後となる1984年。前作で死んだ(消えた)と思われたエルことイレブンが実は生きていて、ホッパーの元で隠れて生活していることが明かされる。なお、メインキャストに転入生のマックス(セイディー・シンク)と、彼女の凶暴な兄ビリー(デイカー・モンゴメリー)が加わった。さて、注目すべきは、彼女がまた会いたいと願うマイクへの恋心の芽吹きだ。マイクはシーズン1の時から彼女のことが好きだった。しかし、イレブンはマイクと仲良さそうにするマックスに嫉妬心を覚えたり、ホッパーへの反抗心を募らせたり。こうして、実の母親に会いに家出をした彼女は、かつて一緒に実験台にされていた少女カリと出会う。しかし、ホーキンスの街が<裏側の世界>の脅威にさらされていることを知ると、仲間を助けに戻るのであった。
一方、ホーキンスでは人間関係がいくつも動いている。ルーカスは転入生マックスのことが気になり、ウィルの母ジョイスはボブ(ショーン・アスティン)という恋人ができていた。ジョナサンとナンシーも、バーブの死を追求し、ホーキンス研究所の秘密を暴こうとする過程で惹かれ合い、恋人なる。一方、ナンシーと別れたスティーブはダスティンと仲良くなる。そしてホッパーは街の畑の作物が腐っている異変に気づき、<裏側の世界>に通じるトンネルの存在を知るも、その中で気を失う。さて、そのダスティンだが、ある日謎の生物に出会うと「ダート」と名づけ、自分のペットにしてしまった。しかし、「ダート」の正体はシーズン1のラストにウィルが洗面所で吐いた生物であり、デモゴルゴンの幼体だったのだ。
その幼体をウィルの体内で培養させた存在、それこそがシーズン2の敵となる「マインド・フレイヤー」。ウィルが時々見るビジョンの中に登場する、蜘蛛のような形態の巨大なクリーチャーだ。その正体は<裏側の世界>の支配者であり、ウィルの中に入って彼を乗っ取ろうとしていた。まだ意識が微かに残っていたウィルは、自分の意志で言葉が話せない代わりにモールス信号でイレブンに「ゲートを閉じて」と合図を送る。ウィルの中にいるものを倒すために、そして自分が開けてしまったゲートを閉めるためにイレブンはホッパーと共に研究所の地下へと向かう。
一方、ジョイスとジョナサン、ナンシーはゲートが閉じてもウィル本人が生き延びられるように、事前に彼の体内からマインド・フレイヤーを出そうと奮闘。その頃スティーブは凶悪なビリーから子供たちを守り、みんなでホッパーが入っていた畑のトンネルから裏の世界に入流。そしてイレブンたちのサポートとしてデモゴルゴンならぬ、デモドッグを研究所から引き離すためにトンネルの中心部を焼こうとする。そのトンネル内を攻撃すれば、その痛みや意識がマインド・フレイヤーの支配下にあるデモドッグらに伝わることを生かしたこの作戦。無事、成功し、イレブンはゲートを閉めることに成功する。
これでデモゴルゴンとも、マインド・フレイヤーともおさらばと思いきや、マインド・フレイヤーは去っておらず、シーズン3で再びメインヴィランとして登場する。