『持続可能な恋ですか?』晴太が杏花に想いを伝える 報われない磯村勇斗の姿が物悲しい
「結婚から自由になったお付き合いをしてくれませんか? ただ好きっていうだけで付き合うのはダメですか? 正直言うと、杏花さんと手を繋ぎたいんです。繋がれたくないんです、他の人に」と、晴太は一周回ってシンプルな想いを杏花に伝えた。
これは第1話で杏花が晴太に持ちかけた「私と結婚を前提とせずお付き合いしてもらえませんか?」という提案と、字面だけ見れば近しい内容に見えるものの、実際には似て非なるものだ。当時“自分の全部をやりたいことのために使いたい”と言っていた杏花にとって、起業セミナーで出会った晴太は、互いの夢に向けて適度に距離感を保ちながらお付き合いできる相手に写ったのだろう。あの時は「もしよかったら僕たち友達になりませんか?」と返していた晴太が、「ただ好きっていうだけで付き合うのはダメですか?」と続けるなんて、彼らが歩み積み重ねてきたこれまでの時間に想いを馳せずにはいられない。
颯の恋を応援するために虹郎が気を利かせて杏花を誘った学童キャンプが、結果として颯の杏花への想いも同居生活も終わらせることになった。テントから晴太と一緒に出てきた杏花の顔に、一緒に住んでいた自分では絶対に引き出せない満ち足りた表情が浮かんでいるのを確認した時。肝試しの最中に真剣な眼差しを向けまさに告白しようとした最中、子どもたちが描いた風船の落書きを見た杏花の笑い声にその後続けようとした自分の想いを遮られた時。そして「家族になっちゃったな……」と寂しそうに笑いながら杏花宅を去ることを決めた時。そのどれも“近くにいるはずなのに遠い”埋まらない杏花との距離感を突きつけられ、自身の想いをぶつけ切れず飲み込むしかない颯の目線が、ないものにされた自身の想いを、吐き出す場所を失った気持ちを一人背負い込む背中が物悲しい。颯の“ゆうきのあかし”は、たとえ報われることがなくとも“好きな人と会える今”を手放すことだったのかもしれない。
さて、晴れて付き合うことになった晴太と杏花の「結婚を前提にしないお付き合い」とはどんなものなのだろうか。2人らしい最適解が見つかることを祈りながら見守りたい。
※記事初出時、一部記述に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
■放送情報
火曜ドラマ『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:上野樹里、田中圭、磯村勇斗、ゆりやんレトリィバァ、井川遥、水崎綾女、清水くるみ、武田玲奈、鈴木康介、松重豊、鈴木楽、柚希礼音、八木亜希子
脚本:吉澤智子
演出:土井裕泰、山室大輔、小牧桜、加藤亜季子
プロデュース:中島啓介、吉藤芽衣
主題歌:幾田りら「レンズ」(ソニー・ミュージックエンタテインメント)
製作著作:TBS
(c)TBS
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