『17才の帝国』山田杏奈の1人2役など驚きの仕掛けが随所に 板挟みにあう星野源の好演も

『17才の帝国』驚きの仕掛けが随所に

 全5回にわたって描かれる土曜ドラマ『17才の帝国』(NHK総合)折り返しとなる第3話では、17才の総理・真木亜蘭(神尾楓珠)がなぜ政治を志したのか、その真実が明らかになる。

 第1話よりベールに包まれていたユキという存在。正しくは白井雪、その彼女は真木の幼なじみであり、7年前に起きた鷲田継明(柄本明)への政治献金事件の犠牲者だった。一人だった真木の声を優しい眼差しで、正しさのまま聞いてくれた雪。「君のために世界を変える」──葬儀の場で彼女に誓った思いを胸に、真木は総理となり理想の国を作ろうとしていた。

 驚くのは、ユキを演じていたのが山田杏奈であったということだ。つまりは、サチと1人2役。AI「スノウ」として生きる17才のユキとサチが対峙し、そのまま流れるようにエンディングへと突入していく。(真木の中で)17才として生きるもう一人のユキ。ロングヘアーや衣装の違いもあるが、校舎での神秘的な佇まいはまるでサチとは別人だ。スノウの声を担当するのは主題歌「声よ」を歌唱している羊文学の塩塚モエカ。その繋がりと、毎回異なっているエンディング映像の第1話~第2話をYouTubeで確認し、また驚くという二段構造である。

 このユキという存在、真木の本心を知ってしまった人物が、サチともう一人いた。それが平清志(星野源)。亡くなった鷲田総理の第一秘書・白井柊吾(高橋洋)の葬儀に出席していた平は、そこに幼い男の子がいたこと、それが真木であったことに気づく。『17才の帝国』では真木、そして平のある種の“したたかさ”が変化の少ない表情に出ているが、だからこそその政治家としての表情が崩れた時のインパクトは大きい。真実を知り思わず口元を押さえ、鋭い目つきでパソコンを見つめる平。政治献金事件の犠牲者だった雪を真木が今も思っているとすれば、当然彼は鷲田を憎んでいる。恨みを晴らすべく総理になったのが本当の目的か、と考えるだろう。プロジェクト・ウーアのマネージャーであり、鷲田内閣の官房副長官でもある平にとっては、真木か鷲田か、どちらの総理に着くかの瀬戸際に立たされているわけだ。



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