『パリピ孔明』のラップバトルはすごかった “本物”だった置鮎龍太郎、千葉翔也、木村昴

『パリピ孔明』のラップ場面がすごい

 アニメの激アツのフリースタイルラップと言えば『ゾンビランドサガ』の第2話も必見だ。ゾンビになった現実を受け入れつつも、アイドル活動することに疑問を持つフランシュシュのメンバー。各人の気持ちがフワフワした中、彼女たちは地域の集会所で行われる高齢者ばかりが来場するイベントに出演することになる。

 ただ、歌もダンスもまとまらず終始グダグダ。終いには暴走して、“首がもげる”というハプニングも発生。地獄絵図のような状況に、ライブにしっかり準備をして臨んだメンバーの一人である源さくら(CV:本渡楓)はついにキレてしまい、「ゾンビがバレたら私ら終わり 言っている意味あんたお分かり」と韻を踏みながら不満をぶつける。これにアイドルプロデューサーの巽幸太郎(CV:宮野真守)がボイスパーカッションを始めると、メンバーの二階堂サキ(CV:田野アサミ)は「そんなで『はいそうですか』ってなるか馬鹿 ハンドル握って死んだ私がゾンビのアイドルだ?」とアンサー。

 さくらとサキのラップに呼応して、星川リリィ(CV:田中美海)は客の手拍子を煽り、ゆうぎり(CV:衣川里佳)は三味線を弾いてビートに彩りを持たせ、ここで初めてフランシュシュに一体感が生まれる。そして、ヒートアップするさくらは、他のメンバーだけでなく、「じいちゃんばあちゃん あんたらもだよ」と客にも矛先を向け、「ぼんやり老後なんて考えんな 縁側一服落ち着いてんな」「老害なんて言わせんな 生涯現役大往生」と締め、場内は大歓声。

 客から喜んでもらえることを体験したからなのか、さくらの本心を胸に刻まれたからなのか、フリースタイルラップがキッカケとなり、メンバーの心を一つにする大きな一歩となったのだ。フリースタイルラップをただの仕掛けにとどまらせず、ストーリー上の重要な要素として組み込んでいたのが非常に印象的であった。

 フリースタイルラップのアニメと言えば、『ヒプノシスマイク』が真っ先に上げられるが、ラップを題材にしていないアニメ作品でも、上記のような形で物語の中に巧みに取り入れられている。ラップ好きの方も、ラップにあまり興味がなかった方も、この2作は必見だ。

■放送情報
『パリピ孔明』
TOKYO MX、MBS、BS日テレにて放送中
キャスト:月見英子(CV.本渡楓/歌唱.96猫)、諸葛孔明(CV.置鮎龍太郎)、KABE太人(CV.千葉翔也)、久遠七海(CV.山村響)、オーナー小林(CV.福島潤)
原作:四葉夕卜・小川亮(講談社『ヤングマガジン』連載)
監督:本間修
シリーズ構成:米内山陽子
キャラクターデザイン:関口可奈味
プロップ設定:宮岡真弓、牧野博美
美術監督:東潤一
美術設定:藤井祐太
色彩設計:江口亜紗美
3D監督:市川元成
撮影監督:富田喜允
編集:高橋歩
特殊効果:村上正博
音響監督:飯田里樹
音楽:彦田元気(Hifumi,inc.)
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
アニメーション制作:P.A.WORKS
製作:「パリピ孔明」製作委員会
(c)四葉夕卜・小川亮・講談社/「パリピ孔明」製作委員会
公式サイト:https:// paripikoumei-anime.com
公式Twitter:@paripikoumei_pr

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