映像作品への出演ラッシュが続く岸井ゆきの 求められる理由は“想像力を掻き立てる演技”?
岸井といえば、自身のInstagramなどで映画メディアに対しての熱い思いをたびたび述べているが、映画作品では、どちらかと言うとドラマとは違い、直接的な感情表現ではなく「なにかを抱えているんだろうな」と想像力を掻き立てる演技を見せる。自身も見ただけで、なにを考えているか分かるような単一的な答えを導き出すような芝居ではなく、「どんなことを考えているんだろう」と想像させる余白を作ることで、その人物に寄り添ってもらえるような芝居を意識しているという。現在公開中の映画『やがて海へと届く』で演じた主人公・湖谷真奈などは、まさにそんなキャラクターだった。
こうした映画的な表現を、ドラマで演じるキャラクターにも、できる限り投影する。だからこそ、ややデフォルメされた人物でも、その場に生きている人として物語にしっかりと根付くのだろう。そして、ガチャガチャしたキャラクターでも、スッと間を持たせる場面を作れるから、対峙する相手との空気感もしっかり保てる。どんな俳優とでも、安定した関係性を提示してくれるのも、岸井が多くの作品で求められる理由の一つだろう。
2022年は、現在解禁されている映画だけでも、『大河への道』、『神は見返りを求める』、『犬も食わねどチャーリーは笑う』、『ケイコ 目を澄ませて』と出演ラッシュだ。手合わせする監督も、吉田恵補監督、三宅唱監督、市井昌秀監督と気鋭の映像作家ばかりで、日本国内だけではなく、海外からも注目を集めている。岸井と対峙する俳優たちも、香取慎吾、ムロツヨシ、三浦友和ら、バラエティに富んだ名優ばかり。
質量ともに充実一途の岸井。筆者が過去にインタビューした際、「人一倍体力があるんです」(※)と笑顔で語っていたように、現場では、太陽にように明るく元気に俳優道を邁進していくことだろう。
・参考
https://www.crank-in.net/interview/103203/1
■放送・配信情報
日本テレビ×Hulu共同製作 新土曜ドラマ『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』
Season1:日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
Season2:Huluにて、6月配信
出演:ディーン・フジオカ、岸井ゆきの、佐藤隆太、西村和彦、本仮屋ユイカ、シャラ ラジマ、安藤政信、板尾創路、石野真子、ユースケ・サンタマリア
原作:中村啓『SCIS 科学犯罪捜査班 天才科学者・最上友紀子の挑戦』(光文社文庫)
脚本:福田哲平、関久代、土城温美
監督:羽住英一郎
主題歌:DEAN FUJIOKA「Apple」(A-Sketch)
チーフプロデューサー:三上絵里子、茶ノ前香
プロデューサー:能勢荘志、尾上貴洋、古屋厚、中村好佑
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