『マイファミリー』二宮和也は誘拐犯の“ファミリー”? ラスト3分で明かされた衝撃の事実

『マイファミリー』温人が衝撃の事実に直面

 被害者は加害者で、ターゲットは共犯者。ファミリーを狙った誘拐事件の黒幕は、家族を侵食するもう一つのファミリーだった。『マイファミリー』(TBS系)第5話では、誘拐犯の思惑の一端が明らかになった。

 三輪(賀来賢人)の娘である優月(山崎莉里那)を助けるために、温人(二宮和也)は東堂(濱田岳)や三輪、三輪の元妻である沙月(蓮佛美沙子)と指定された受け渡し場所に向かう。何度も場所を変えて最後に犯人から告げられたのは、予想外の取引延期。釈然としない三輪は、沙月が狂言誘拐を起こした可能性を口にする。

 優月を一人でおつかいに行かせたことが理由だったが、沙月は否定。「あいつは俺を憎んでる」「もう何年も離れてるから、あいつの考えてることがわかんねえんだよ」と三輪。離婚して数年が経った元夫婦の間には、埋められない溝が生じていた。最悪の空気の中、口を開いたのは東堂だった。自身も娘の心春(野澤しおり)を誘拐され、妻を疑うようになったこと。東堂は失踪した妻に謝りたいと話し、温人は三輪の誤解を詫びた。

 捜査一課の葛城(玉木宏)は、阿久津(松本幸四郎)を一連の誘拐事件の鍵を握る人物と考えていた。友果(大島美優)と心春は、阿久津の娘である実咲(凛美)と同じ横浜清風女子大学附属の生徒。被害者と接点があり、友果の事件で巨利を得たことが理由だった。警察の上層部に知られたことで葛城は阿久津家から遠ざけられたが、実咲と心春はつながっており、あながち間違いとは言いきれない。

 温人と未知留(多部未華子)の間にも誤解があった。黙って優月の救出に向かう温人に、未知留は不倫を疑う。渦中の登場人物が織りなす感情のあやが絡み合い、家族の関係に新たな光を当てる。同時に物語の文脈上で、意図的なミスリードや伏線回収の役割も担っている。優月の狂言誘拐のくだりは、友果の事件の真相に関する家庭を省みない父親への当てつけとしての狂言誘拐説を想起させるが、さりげなくそれを否定し、本作が家族のドラマであることを強調。阿久津家に関しては、いったんは誘拐事件への関与を打ち消しておいて、今後、実咲が心春との関係で登場する可能性を示した。未知留の機転は、第5話終盤で犯人を追跡するもう一つのラインになっていた。

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