『吉祥寺ルーザーズ』増田貴久と田島芽瑠の演技がぶつかり合う 言葉が詰まるような一場面

増田貴久と田島芽瑠の演技がぶつかり合う

 東京・吉祥寺の謎めいたシェアハウスに暮らす、人生の負け組6人の日々を描く『吉祥寺ルーザーズ』(テレビ東京系)。5月2日放送の第4話は、増田貴久演じる聡と、田島芽瑠演じる舞の熱のこもった演技がぶつかり合った、見応えのある回となった。

 シェアハウスのルームメイトの一人である舞が帰らなくなって6日が経過。連絡は取れており、彼女が無事であることはわかっているが、依然どこで何をしているかはわからない。そんな中、舞のことを心配する桜(田中みな実)の元へ、舞から「同窓会で福岡に戻っている」との連絡が。しかし、シェアハウスには、舞宛に1カ月後の同窓会の知らせが届き、舞が嘘をついていることが判明する。

 入居当初から、名前だって本当かは分からないと言うくらい「個人情報は渡したくない!」と頑なな態度を見せており、口も悪く、無愛想な舞を演じている田島は、アイドルグループHKT48の初代センターとして活躍し、2022年4月に卒業。卒業後は女優の道を進みたいという彼女は、この舞役でその才能を遺憾無く発揮している。

 シェアハウスのメンバーが舞探しに本腰を入れ始めた頃、突然帰ってきた舞は「福岡のお土産買ってきたよー」と地元・福岡の名産品をテーブルに広げ、シェアハウスの唯一のルールである、みんなで食べる日曜の夕飯には、「なんかいい匂いするっちゃけど! 何食べよると?」と楽しそうに食卓に近づき、鍋を食べながら”福岡の良さ”について饒舌に語る。もちろんその話が嘘であると気づいているシェアハウスのメンバーが、舞の話を黙って聞いていると、舞はふと傷ついた顔をみせ、はらはらと泣き出した。生意気な普段のキャラクターとの違いや、食卓での流れるような感情の移り変わりを田島は見事に表現しているのだ。

 田島の熱演に応えるように迫力の演技を見せたのが増田だ。嘘をついたことを認めようとしない舞に、聡は「ここでは嘘をついてもいいと思う」と寄り添う姿勢を見せる。それは互いに隠しておきたいことがあり、嘘をつかないと生きていけないとわかっている“ルーザー”が集まったシェアハウスだからこそ言える優しい言葉だった。だが、聡は次に「自分を守る嘘ならいいけど、自分を傷つける嘘は信じてあげられない!」と舞を見つめ、「自分を大切にしないと!」と体を震わせつつ訴えた。そのあまりにも素直でまっすぐな思いと強い視線に、観ているこちらも言葉が詰まるような一場面だった。

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