マッツ・ミケルセン、メソッド演技法を「くだらない」と批判 『ファンタビ』役作り秘話も
『ハリー・ポッター』魔法ワールドシリーズ最新作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』では、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018年)でグリンデルバルドを演じたジョニー・デップに代わり、マッツ・ミケルセンが同役を務めている。
ミケルセンは、『ハンニバル』(2013年〜2015年)や『007/カジノ・ロワイヤル』(2006年)、『ドクター・ストレンジ』(2016年)など幅広い作品で活躍しており、最近では、第93回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した『アナザーラウンド』(2020年)での演技が高く評価された。
そんなミケルセンが「魔法ワールド」に登場することとなり、ファンの間では公開前から期待する声が集まっており、本作を観終わったファンの間では、ジョニー・デップ版グリンデルバルドを惜しむ声もある中、ミケルセンの演技を称賛する声が多数あがっている。
ミケルセンは、Kino.dkのインタビューの中で、グリンデルバルドを演じるにあたってのアプローチなどを語った。
ダンブルドア役を演じたジュード・ロウとは、20年〜25年ぶりの再会であったことを明かしたミケルセンは、「私たちはただ、共に過ごした過去をもつ2人の大人として対面しました。良き再会でした」と、ロウとの再会を振り返った。
また、グリンデルバルドを演じるにあたり「最も挑戦的であった部分」について問われたミケルセンは、「これまで素晴らしい演技をしてきた人を真似て演じることは、クリエイティブの自殺行為だと思います。私たちは、そのようなことにならないよう努めました。外見とダンブルドアとの関係が、新たなものにするための核でした。しかし、もちろんこれまで築かれてきたものとの橋渡しも必要であるため、私たちは、キャラクターのもつ虚栄心を保つようにしました」と語った。
また、ミケルセンは、『キング・アーサー』(2004年)では乗馬や剣の振り方を学び、『バトル・オブ・ライジング コールハースの戦い』(2013年)ではフランス語を学ぶなど、入念な役作りを行ってきたが、GQ誌のインタビューにて、メソッド演技法に対する自身の見解を語った。
ミケルセンは、メソッド演技法について「くだらない」と自身の見解を示し、「(役作りのための)準備は、狂気の沙汰に陥る可能性もあります」「(演じる作品が)最低な映画だったとしたら、何かを成し遂げたと思えるのでしょうか。自分とキャラクターを切り離さなかったことに感動するのでしょうか。そんな映画なら、最初から切り離しておくべきでしょう。連続殺人犯役のためにどうやって準備をするというのでしょう? 2年もの時間をかけて準備するんですか?」と語り、さらに、「それらは、ただ気取っているだけなのです」とメソッド演技法に対する持論を述べた。
ミケルセンはまた、「マスコミは、『あんなに真剣に(演技法に)取り組んだのだから、素晴らしいに違いない。賞を捧げよう』と言うのです。そうしてそれは、誰もが知るような話題となり、流行となるのです」と、マスコミがメソッド演技を行う行為と、俳優のもつ演技力を同一視していることを非難した。
また、献身的なメソッド演技法を取り入れることでも有名な、ダニエル・デイ=ルイスについても触れ、「(彼となら)絶えず役作りを繰り返しながら、楽しい時間を過ごせるでしょうね。ダニエル・デイ=ルイスは素晴らしい俳優です。しかし、(演技法は)作品とは関係ないのです」と、演技法と演技力は異なることを主張した。
参照
https://variety.com/2022/film/news/mads-mikkelsen-slams-method-acting-1235229778/
https://www.gq-magazine.co.uk/culture/article/mads-mikkelsen-interview
https://www.youtube.com/watch?v=siRAGey9JFI